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24.12.13
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豪雨被害を乗り越え美味しい新米を出荷!秋田県由利本荘からのレポート


今回は秋田県由利本荘市から、7月の豪雨で被害を受けた、ある稲作農家のレポート。

今年7月末、秋田県や山形県を中心とする4県では記録的な大雨が降り、多くの地域で観測史上1位を記録。河川の氾濫や堤防の決壊など、甚大な被害をもたらしました。国が復旧にかかる費用を支援する「激甚災害」にも指定されています。

被災地域の一つ、秋田県由利本荘市は、県内でも有数の米の名産地。今回お話しを伺った木内伸さんは昭和52年生まれ。米を約35㌶栽培する農家の3代目で、自身の営農だけでなく、農業用ドローンを使って他の農家のサポートもしているという方。

先日取材に伺った時、もう冬だというのに田んぼには刈り取られないまま稲穂が水に浸かって残り、3m近く陥没した農地など爪痕はいたるところに残ったままでした。


これだけの被害を受け、はたして無事に収穫できたのか?また今後の営農はいったいどうなるのか?農地を案内して頂きながら木内さんにお話を伺いました。

◆◆

ここらへんも全部うちの農地なんですけど、ああいう育苗ハウスの中にも土砂が流れてきたり、この奥に沢というか川があるんですけど、その水が全部こっちに流れてきた感じです。

―――手前に川がありますが、その川が越水したわけじゃなくて?

そこも越水したし、上からどんどん水が流れてきて、ここら辺もう全部ダムみたいになっていました。

(豪雨のあともしばらく川のように水が流れ続けていた田んぼ)


―――自宅は大丈夫だったんですか?

玄関前まで水が来て、家は大丈夫だったんですけど作業小屋とか車庫は膝ぐらいまで。家族は避難しましたが、僕は残ってひどくならないことを願いながら一応家に残りました。


で、ここが田んぼの水路なんですけど、通常こんなに今の時期だと水ないんですけど、要は流れなくて、今もどんどん溜まってる感じです。その水路のU字溝ももう全部田んぼに落ちちゃって。だからこの水、ここの土砂取らないとどうにもならないんです。この奥まで2キロぐらいあるんですけど、途中で道路が流されちゃったもんで、ここから奥は全部稲刈りは出来ない状態ですね。国の事業で直せるんですけど、何年先になるかはわかんないみたいな感じで、ずっとこのままですね。

―――春までにやってくれるとかそういうわけではないんですね?

早くて3年とかって言ってましたね。


ここが鮎川という川で、その先に大きい子吉川っていうところにつながるんですけど、その子吉川が水量がかなり増えてしまって、鮎川の水が子吉川に流れなくなってしまって溜まっていく。その川の中に長年どんどん木とかが成長してきて、それが支障となって水の流れが悪いってのもあるんで、それは集落としてもずっと昔から市の方に“支障木の撤去”というのはお願いしてるんですけど、なかなかそういう予算もつかないらしくて。もうちょっとだから川を流れやすくしてもらえればなと集落全体でいつもみんなが言ってます。2011年にも1回大きい水害あったんですけど、それで鮎川は一応拡幅作業したんですけど、それでも今回の雨はやっぱりものすごかったんで、また越水したって感じですね。川幅広げてもこうなんでやっぱり川の整備が急務だと思いますけどね。時期的に7月の下旬だったんで稲の方はもう出水して、これからどんどんどんどん実っていく状態だったんですけど、そこでの大雨で、水をかぶった田んぼが結構あったんで、ひどいとこだとまあ1週間ぐらいは水引かないようなところもあったんで。そうなるといろいろ病気になったりするんで、農業用ドローン使って防除作業したり、いろいろやりましたね。

―――35ヘクタールのうちどれぐらい出荷できないというか、被害がありました?

2割は出荷できない感じでしたね。あと作業場の中に乾燥する機械、調整する機械とかあるんですけど、そういったものも今回のその水害によって全部使えなくなったんで。トラクターとかコンバインとかそういう大きい機械って保険に入ってるんですけど、小さい機械だと保険にも入ってないんで。まあけっこう損害的には大きかったです。ただ今年は米の値段が上がりましたんで。まあ大雨後の天候にも恵まれて、品質的にも非常に今年は良かったんで、その点では本当安心しました。一時期は本当どうなるのかなと思ったんで。けっこう“今年の米はまたより一層美味しいね”なんていう人もいたんで嬉しかったですね。


35㌶中、被害は2割。そして今年は米の出来が良かった!これは何よりの救いになったのではないでしょうか。

いま秋田県では“傑作”と胸を張るブランド米「サキホコレ」に力を入れています。木内さんも10㌶が「サキホコレ」。ぜひこれを味わってほしい!ということで、新米を購入して味わってみましたが・・・


粒だちふっくら、瑞々しくて噛むほどに甘みが広がるじつに美味しいお米でした!

約12万株の中から厳選されたひと株を、県をあげての名物に育て、いま全国に出荷されています。とりわけ今年は、豪雨被害があったもののその後の気候にも恵まれてデキが良い!ということで、スタジオのユージさん吉田さんも絶賛していましたが、ほんとうに美味しいお米です。

まさにいま販売店には新米がズラリ並んでいますが、チョイスに迷われた場合は、そんな苦労を乗り越えて出荷されている「サキホコレ」や、秋田、山形のお米、応援の気持ちも込めて、手に取って頂けたらと思います。

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