
旅で被災地を応援!「夏旅におすすめ!能登・輪島編パート1」

石川県輪島市では、昨年1月に能登半島地震、そして9月に能登半島豪雨が発生。度重なる自然災害が復興の大きな足かせとなっています。今回お話を伺ったのは、輪島市内で営業する「お宿たなか」の田中孝一さんです。「お宿たなか」は床も柱も「総漆塗り」。能登の伝統工芸の技がすみずみまで行き渡るこだわりの宿ですが、田中さんはいま「先が見えない不安」にかられていると言います。


「実際震災から1年半が経って、人の戻りという部分では全然先が見えない状況です。客足が以前と比較できないくらい落ち込んでしまっている。被害としては、地震と水害の両方です。外壁もメンテナンスしないといけないんですが、壁を直すにしても半年はかかると言われています。
先がみえれば直そうと思うんですが、お客様が本当に戻ってくるのか、そこの部分でどういう方向にいくのかが怖い。とりあえず8月のお客様の動きをみれば、今後の輪島の動きがわかると思います。いまは能登を応援したいという方が足を運んでくださっていますが、8月の予約状況をみると、この先どうなるのかな、という不安しかないです。お盆も全然予約が埋まっていない。本当は8月1日から31日までほとんど休みなしに稼働するはずが、予約が本当にスカスカの状態なんです」

被災した中小企業者等には「なりわい再建支援補助金」という制度がありますが、「これは“利息の発生しない貸し付け”。先の見通しが立たない状況では、申請にも尻込みを感じる」と田中さんは話します。
輪島市内で営業を再開した宿泊施設は、地震以前の半数ほど。残りは休業や廃業を余儀なくされています。宿泊施設の減少が観光客を呼び戻すブレーキになっているという現状があります。


そんな中でも、輪島の方たちは前を向いて歩き出しています。輪島朝市は市内の商業施設のなかで営業を再開。奥能登輪島の観光名所、白米千枚田にも少しずつ田が広がり始めています。7月には海女さんによるサザエやアワビの漁もスタート。地元の宿や居酒屋には新鮮な能登の海産物が並んでいます。
田中さんは能登の魅力を「能登時間(のとじかん)」という言葉で表現してくれました。
「これからは従来の“観光”という考えでお客様を迎えないほうがいいのかなと。違った“観光”を定義していかないといけないと思うんです。なにもないようなところでもお客様が来るっていうところがあるでしょう。
能登はのんびりとした地域。“能登時間”というのがあって、能登にしかないゆっくりとした時間の流れ、慌ただしい都会から離れて能登の空気に触れた時、ものすごくゆったり時間の中に能登の良さがあるんです。その中に住んでいる能登人(のとびと)と過ごす能登時間が、ものすごくよかったのかな。その時間を感じてほしい」


首都圏からなら羽田空港から能登空港まで飛行機でたったの55分。「能登時間」と能登の海の幸を味わいに、この夏あなたも能登・輪島に出かけてみませんか。
お宿たなかはホームページから予約が出来ます。
最新情報はお宿たなかのインスタグラムからどうぞ。
お宿たなか 2025年2月のインタビューはコチラから

<能登・輪島の美味しいおまけ>
輪島市内で営業する「小料理新駒」は能登の海の幸が手軽な値段で楽しめるお店。地元の醤油で漬けて干した「醤油ハチメ」はほんのりとした醤油の甘さが特徴です。新鮮な刺し盛りはもちろん、夏はサザエ、アワビといった貝類がおすすめ。磯の香りが口いっぱいに広がります。能登の地酒「千枚田」と一緒にどうぞ♪
