
ユーミンのうた×あなたのアート「能登エールアートプロジェクト」vol.2

2024年、能登半島地震と能登半島豪雨に見舞われた能登地方。2025年8月の大雨でも被害が報告されています。そんな能登に、全国から応援の気持ちを届けよう!というのが、「能登エールアートプロジェクト」。松任谷由実さん、ユーミンの曲をイメージした絵はがきを書いて送る、という企画です。今回はユーミンさんご本人からメッセージが届きました♪

「わたしと能登とのゆかりはとても古くて、深いと思います。実はいまから50年以上前からのご縁で、デビューした直後からのお付き合い。元MRO(北陸放送)のプロデューサー、金森千栄子さんがデビューしたてのわたしをとても買ってくださって、わたしもわけがわからないままキャンペーンに行きました。普通キャンペーンといえば大阪や札幌など大都市に行くが、なぜかいきなり金沢に行ったんです。
そのころは(金沢まで)新幹線も通っていないし、隠れ里のような、すごく素敵な街だなあと感動して、金森さんが金沢だけじゃなくいろんなところに連れていってくださった中に、能登の旅というのがありまして。内灘町のアカシアがちょうど満開で群生しているのを見たり、能登の先端の造り酒屋さんをめぐったり、海を見たり。いまでも目に浮かびます。残念ながら金森さんは亡くなりましたが、亡くなったすぐの年に能登半島地震が起こって、なにか託されたような、恩返しをしないと、という気持ちにかられました」
「話は前後しますが、その5年ほど前から石川県の観光ブランドプロデューサーという立場を与えていただいて、能登を含めて石川県のあちこちに行くことが増えました。震災が起こったときにはさまざまな風景がよみがえってきて、お話した人たち、お祭りを見ながらご飯を食べた思い出、塩田の風景…。今考えると、はかないような壊れやすいような美しさがあって、それが失われてしまうのかと胸が痛くなりました。でも、能登を忘れないという気持ちはそのときに芽生えて、“能登を決して忘れない”というのが、わたしにできることだと強く感じたんです。
『能登エールアートプロジェクト』のお話をいただいたときに思ったのは、アートは不要不急のものだけど、音楽も絵画も触れた人の心に目に見えない想いを届けるものなので、いまできることとしてふさわしい、と思ったんです。しかも、わたしの曲を聴きながらイメージしたアートに、能登のみなさんへのエールの気持ちをのせて届けるというアイディアは、何倍もの力を発揮するのでは、と思ったんです」

全国のみなさんから続々とエールアートはがきが届いているようで、その一部を届けていただきました。
▼「きっとあの人も空からあなたの頑張る姿を見守っています」
これは「ひこうき雲」がすぐ浮かびます。
▼これは「春よ、来い」ですね。
カーテンを開けている女の子の後ろ姿。
「復興に向けて一歩ずつ挑戦していきましょう」力強い後ろ姿ですね。
▼これも「春よ、来い」かな。
アニメのタッチで「ずっと、君を想う」シンプルでいい言葉ですね。
▼「能登はやさしや、土までも」という有名な言葉が
「やさしさに包まれたなら」を描いたはがきに書かれています。

「能登のみなさんやあの美しい風土は、わたしにとっては“育ての親”といってもいいくらいです。たくさんのインスピレーションを受け取って、音楽をつくって、いまがある。そんなみなさんに、わたしなりの方法で恩返しをしていきます。それがわたしのモチベーションです。12月にはツアーで石川に行きますし、エールアートはがきも実物を見に行けたらいいなと思っています。それまでどうぞお元気で。松任谷由実でした」
能登エールアートはがきの締め切りは10月31日。
届いたはがきは、今年12月から3月にかけて、のと鉄道やのと里山空港などに展示される予定です。「能登エールアートプロジェクト」について、詳しくはオフィシャルサイトでチェックしてください。

