
東北に春を呼ぶファンラン大会「東北風土マラソン&フェスティバル」エントリースタート

「LOVE&HOPE」の頃からご紹介してきた宮城県登米市の名物ファンラン大会、「東北風土マラソン&フェスティバル」は、来年のエントリーがスタート。今回はあらためてこちらについてご紹介しました。
「東北風土マラソン」、字で書くと“気候風土”の“風土”ですが、食べ物の“フード”にも掛けてあって、文字通り、マラソンコースの給水所=エイドステーションごとに、東北のおいしい食べ物を食べながら、おまけにほんのり樽の香りがする“日本酒の仕込み水”を飲みながら走る、という、楽しみいっぱいのファンラン大会です。

ワインを飲みながら走るというフランスの名物マラソン、「メドックマラソン」の企画協力を得て2014年からスタート。味わいながら走るマラソンだけでなく、地元グルメの飲食・物販ブースが並ぶ「登米フードフェスティバル」、東北の日本酒ブースがズラリ並ぶ「東北日本酒フェスティバル」、被災地の復興状況が見学できるツアー「東北風土ツーリズム」も同時開催。

今や全国からランナーが集まる東北の春の風物詩「東北風土マラソン」。その概要やここまでの歩みについて、今回は実行委員の田中直史さんに伺いました。
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「東北風土マラソンは3.11東日本大震災をきっかけに2014年立ち上がった大会です。スポーツというフォーマットを通じて世界と東北を繋げて東北の良さを知ってもらって、また何度も来てもらうようなきっかけができたらいいなということで、立ち上げました。走るコースは宮城県登米市。長沼という湖があります。1周20kmになるんですけど、その長沼の周辺を1周するとハーフマラソン、2周するとフルマラソンという形での設定になっています。
スタートコール会場には風車があって、その風車の下に芝生広場があって、そこで東北日本酒フェスティバル、フードフェスという、食べ物と日本酒のフェスティバルも同時開催されておりまして、ゴールしたランナーはそれに参加することもできるというような大会です。
とくに3.11東日本大震災直後の大会というのは、何か貢献したいとか力になりたいと思ってたランナーさんが参加されるケースが多かったかなと思います。ボランティアさんもやはり震災復興に何か寄与できればというようなボランティアさんもたくさん参加してくださったというのが初期の段階ですね。それがだんだん年を重ねていくに従いまして、地元の方にとってもランナーさんも、単なる震災復興のイベントではなく、地元にとっての祭りであるというような位置づけに成長してまいりまして、よりスポーツ大会プラス祭りみたいな形で発展してきているというところもあります。
生産者さんの方は我々がオーダーする前から、まだ最終確定じゃないんだけど、もう食材を抑えておいたよ!とかスケジュールを抑えといたよ!って言ってくださる生産者さんが増えてきているなと。桃の漬物とかは東北風土マラソンと一緒に成長してきたと言ってもいいぐらい。ランナーさんが食べて美味しいなって感じて買って帰ってくれるケースがすごく多くて、ランナーさんの数が増えていくのに従って売り上げも毎年毎年増えていって会社としても成長していってると、そういった形でマラソン大会の成長と共に生産者さんの売り上げも上がっていってるというケースもすごく多くなってきているなというところです。
(継続については)常にピンチです。ていうのはやっぱり年が経っていくに従ってスポーツ大会とかイベントも全部そうだと思うんですけれども、10年というの一区切りにして、協賛をちょっと止めるというケースってのは全体的な流れとしてはやはりあって、運営とかボランティアの方に入れないっていうような人たちもやっぱり増えてきたりするんですね。で、我々もそれはすごく敏感に察知をしていて、かなり苦労して新陳代謝をやっていってますね。」

様々な震災復興応援イベントが役割を終えるなか、「東北風土マラソン」も継続の課題を常に抱えつつ、多くの参加者に愛され支えられ、続いています。
何度もランナーとしてこれに参加しているHandスタッフによると、“ふつうは急いで通過する給水所=エイドステーションで、アツアツのはっと汁とかふかひれスープとか、ふうふうやりながら味わったり、息が切れてるのにネバネバの海藻のアカモクで窒息しそうになったり、牡蠣とか笹かまとか写メ撮るのも忙しかったり、とにかく参加者みんなで笑いながら走ってるような大会”とのこと。おまけに酒フェスやフードフェスもあるのでランナーじゃなくても楽しめ、復興の応援から、東北のファンを増やしたり、交流人口を増やす魅力的なイベントへと進化しているとのこと。
そんな「東北風土マラソン」、来年は4月19日に開催が決定、エントリーがスタートしています。来年は震災から15年となりますが、「東北風土マラソン」としては、どんなことを考えているのでしょうか。
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「我々にとってももちろん節目だなと思ってる部分はあります。大会会場であるとかコース上で何かしらランナーさんが震災について思いを馳せるなのか思い出すなのか、そういったことができるような仕組みとか仕掛けというのは展開していきたいなと思っております。具体的にはまだ詰めきれてないんですけれども、やはりランナーさんがその走ってる時っていうのは結構特殊なテンションだと思うんですね。アドレナリンも出てるし感受性もすごく豊かになってるし頭の中でいろんなものを言語化しながら走ったりするというのがランナーさんの特性かなと僕は思ってるので、それを何かしら、コース上で写真を見せられるといいなとか。特に後半のコースとか。そういうことはちょっと考えてますね。」

「東北風土マラソン」実行委員、田中直史さんのお話しでした。
詳細は今後決まってくると思いますが、コースの上の写真パネルを見ながら、復興の歩みを感じつつ走る、というのも笑いあり涙ありで「東北風土マラソン」らしくて良いのではないでしょうか。
ちなみに毎年“仮装”のテーマがあって、仮装ランナーも多い大会です。来年のテーマも気になります。ほかライブステージもあったり楽しみいっぱいの「東北風土マラソン」。詳しくはオフィシャルサイトをご覧いただいて、ぜひ来春のエントリーを検討してみてください!

