
地震 津波 豪雨 複合災害から学ぶ教訓「リブート珠洲」の復興支援ツアー

2024年1月能登半島地震で大きな被害に見舞われた石川県珠洲市。同年9月の奥能登豪雨の影響で被害はさらに拡がりました。民間団体「リブート珠洲」は、復興支援ガイドツアーなどを通じて、全国から訪れる参加者に“珠洲市のいま”を伝えています。チーフガイドで防災士の宮口智美さんが案内してくれました。
「ここ珠洲市宝立町は能登半島地震で津波の被害を受けた地域です。2〜3メートルの津波が到達しました。ご案内するのが観光名所、見附島です。地震の影響で大きく形が崩れてしまった島です。ここを見学した後、宝立町の仮設住宅、避難所となった学校、津波が到達した商店街をご案内します」

観光名所の見附島は石川県の天然記念物にも指定される名勝。でも地震によって、島の南東側が崩れ、ほぼ半分になってしまいました。以前は引き潮のときに現われた島に続く道も消失。眺めは一変しました。
また、地震によって宮口さんの自宅も全壊し、避難所生活は半年以上に及びました。避難所の運営にも奔走する中で、宮口さんは「リブート珠洲」の立ち上げに加わります。
「復興支援ツアーを立ち上げたのが2024年7月半ばだったんですが、その頃自分はまだ避難所生活を送っていました。震災前は市の観光協会で働いていましたが、「このままでは復旧したあとに“能登に来てください”といっても、もう何年も経って、忘れられちゃうな…」と思ったんです。被災した能登をみなさんが気にしてくださっている間に、一度能登を訪れて、その方々と繋がっていたいな、復興するまで見届けていただきたいし、復興したあとに観光客として戻ってきてほしい。能登のファンを増やしていきたい、という思いでリブート珠洲を立ち上げました。
これまで北海道から沖縄まで全国から、特に太平洋側の南海トラフを警戒して、建設や消防関係の方、民生委員、医療系の方、支援団体の方、さまざまな方にご参加をいただいています。ここ珠洲市の宝立町は河川が近く地盤が脆弱で、家屋の倒壊率も高かった上に、津波が来て、さらに地震の8か月後には奥能登豪雨もあり、複合的な被害が発生した場所です。でも今後は復興に向けて、徐々に変わっていくと思うんです。被災した能登がどのような被害を受けたのか、そこからどういう動きで立ち上がっていくのか、いろんなものを持ち帰って、それぞれの防災活動に活かしてもらいたい、という気持ちでご案内しています」

地震と津波、そして豪雨による複合災害。そのときなにが起こり、人々はどう対応したのか。そのリアルを学ぶため、これまですでに3500人以上が全国から「リブート珠洲」の復興支援ツアーに参加しています。
「これまで観光の仕事をしてきて、人のつながりはたくさんあって、飲食店やお土産物屋、宿などと深い関わりがある中で、困っている人たちのために自分には何ができるかなと考えたときに、それは外から人を呼んでくることかな、と考えました。
これまでやってきた経験を生かして、仕事を続けたかったというのが一番。それがぶれずに自分の核としてあり、これまで繋いできたものを地震があっても、この先も繋いでいきたいと思っています。だからこの仕事はやめないと思います。」
――復興支援ツアーにはリピーターもいらっしゃいますか?
「はい、すでに3回4回と珠洲を訪れてくれている方もいらっしゃいます。リピーターの方には最初にご案内したところ以外のところをご紹介したり、初めて訪れたときから1年経っていると、同じ場所を見ても全然景色が違っているので、通りいっぺんのガイドではなく、来るたびに新しい発見があるように、と工夫しています。ガイドツアーの語り部の方もさまざまな業種の方とお繋ぎして、“何度来ても魅力のあるツアー”になるように心がけていきたいと思っています。それを機に何回も能登を訪ねてくだされば、わたしたちとしてもやりがいに繋がります」

災害の爪痕がいまもいたるところに残る珠洲市宝立町。いまだからこそ体感できる災害のリアルがあります。リブート珠洲の復興支援ガイドツアーでは、ツアーのカスタマイズも相談可能です。なにを見てなにを学びたいのか。ぜひご相談ください。
詳しくは「リブート珠洲」のオフィシャルサイトをチェックしてください。

<能登のおまけ情報>
道の駅すずなりの「すずなり館」は珠洲の特産品や土産物が揃うスポット。天然塩や新鮮な野菜、珠洲焼の焼き物などが所狭しと並んでいます。なかでもおすすめなのが、珪藻土コンロ!珠洲の地下から切り出して彫り上げ、窯焼きした「切り出し七輪」は、いまやなかなか手に入らない逸品。高い熱効率と遠赤外線効果で、魚も肉も野菜も美味しく焼き上げることができます。珠洲のお土産にぜひどうぞ!
