2024.12.28
GUEST
ダークスカイ・ジャパン代表
(東洋大学准教授)
越智信彰さん


1988年にアメリカで設立されたNPO、ダークスカイ・インターナショナルの日本支部。具体的には光害のフィールド調査や、啓発活動、さらに星空保護区認定制度も行なわれているんだとか!
その代表を務めていらっしゃる越智さん、実は篠原さんのルーツでもある青ヶ島へ、7年前に夜空の暗さの調査に行かれたことも☆本当にきれいな星空だったそうですが、一つだけ少し残念だったというのが、都道に設置されている道路灯。かなり数が多く、かつ上に光が漏れてしまうタイプのもので、雲が少し白く見えていたそうなんです。ちなみに都会では夜でも雲が白く見えますが、これは街明かりが空に漏れているためで、自然のままの真っ暗な環境では実は雲は黒く見えるはずなんだとか…!ですが、越智さんが青ヶ島を訪れた日は実は特別な日で、数年に1回の全島停電が実施される日。カルデラ内の駐車場で地面に寝そべってその瞬間を待ったところ24時過ぎに停電になった瞬間、少し雲があったもののそれまで白く見えていた雲が一瞬で真っ黒に!逆に背景の満天の星々がより際立って輝くように見えたそうなんです☆「あれは、おそらく二度と経験できない貴重な経験でしたし、光害の影響を目の当たりにした体験でした」と越智さん。特別にその時の映像を見させていただいたのですが篠原さんも「全然違いますね!」と驚きでした…!
そんな光害に向き合って取り組まれている地域を、星空版の「世界遺産」とも言われている星空保護区に認定する活動をアメリカのNPOであるダークスカイ・インターナショナルがされているのですが、これは光害のない、美しい星空と暗い自然環境を守るための優れた取り組みを世界基準で評価・認定するもの。今現在、世界で220ヶ所あまりが認定されていて、国内では4か所(沖縄県の西表石垣国立公園、東京都神津島、岡山県井原市美星町、福井県大野市南六呂師エリア)が認定されているんですよ☆しかし、単に星空が綺麗に見える地域を認定しているのではなく、光害を防ぐ活発な取り組みがなされている地域が認定されます。たとえば、それぞれの地域では、光害対策型の屋外照明(夜空に直接光を漏らさず、生態系や健康への影響の小さい電球色)への改修が行われていたり、白く明るいLED防犯灯が使われている一般的な町中とは違い温かみのある電球色で、明るさを抑えた光環境になっているなどなど、対策がしっかりと取られている場所ということなんですね♪そのため、「訪れたらきっと特別な夜の雰囲気が感じられるのではないか」ということです☆これはぜひ足を運んでみたいですよね!
ちなみにダークスカイ・ジャパンでは、国内からの申請をサポートされています。現在、最も申請に近づいているのは、沖縄本島北部の国頭村!村内4つの公園をまとめて「ダークスカイ・パーク」として申請予定で、来年順調に認定されれば、国内5番目の星空保護区となるそう♪ 「やんばるの森の中で、クイナの鳴き声を聞きながら見る満天の星はまた格別」とのこと。また首都圏では千葉県の南房総市で申請準備が進められているそう。房総半島の先のほうで、都心からアクアライン経由で1時間40分ほどで着いちゃいます!都心の明るさの影響を少し受けながらも、十分天の川が見える素晴らしい星空が広がっていますよ☆こちらは「アーバン・ナイトスカイプレイス」というカテゴリーで申請予定だそうです。他にも全国複数の自治体で申請準備が進められているということで、今後の星空保護区にも大いに期待ができますね!!
ということで2週間、たっぷりお話を伺うことができました☆みなさんもご自身の生活に身近な「明かり」への意識が変わったのではないでしょうか!?より素晴らしい星空を目指すため、私たちにできることを1つ1つ考えてみたいですね…!
越智さん、素敵なお話ありがとうございました!!
♪ ベテルギウス / 優里
♪ クロ / 遊佐未森