STAR STORY
山ごもりでの星空
R.N ビエント


「高校を卒業したらウチで働かない?」。通っていた塾の塾長にそう声をかけられた。講師として働く中で、次第に塾長との距離も近くなっていった。授業の合間に一緒に食事をしたり、生徒への教え方について意見を交わしたりもした。ある日、なにげなく休日の過ごし方を聞くと、「山ごもり」と返事が返ってきた。一瞬耳を疑ったが、塾長の趣味は休日に都会の喧騒から離れて、文字通り「山にこもる」ことだった。塾長に誘われ、私もついて行ったことがある。山の中でハンモックに横たわって見上げる星空は絶景だった。夜空に散らばる無数の星を見ていると、夜空がこれほど明るかったことに気付いて驚いた。星空の下、恩師と一緒に過ごした時間はいまでも大切な思い出になっている。