夜9時頃。東の空を見あげると、オレンジ色にまばゆく輝く星が目にとまります。うしかい座の1等星「アルクトゥルス」です。この星は全天に21個ある1等星のなかでも4番目という明るさで春の夜空で、鮮やかなオレンジ色の輝きがひときわ目立っています。
「アルクトゥルス」は、ギリシャ語で「熊の番人」という意味。夜空では、隣にある りょうけん座の2頭の犬をつれて、おおぐま座の後を追いかけているように見えることから、このように呼ばれたのだそうです。でも、なぜか星座の名前は「牛飼い」という、ちょっと不思議な星座なんですよ。ギリシャ神話では、世界の西の果てで、天が落ちてこないように肩にかつぐ役割を科せられた巨人アトラスの姿ともされています。