第1回 桐野夏生さん(小説家)

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第1回のゲストは小説家の桐野夏生さん。
谷崎潤一郎と彼が愛した女性たちとの複雑な人間模様をフィクションを交えながら描いた自身の最新作『デンジャラス』を中心に、谷崎潤一郎という人物や文学、さらには日本文学のエッセンスや醍醐味を味わいます。

谷崎潤一郎ファンを公言し、『デンジャラス』にも登場する谷崎の3人目にして最後の妻・松子と生前親交があったというロバート キャンベル氏はこの放送の際、貴重な『春琴抄』の初版を取り出します。これには桐野夏生さんもびっくり。「これは特別装丁で、漆の表紙になっているんです。下宿の家賃1月半分払いました(笑)。美しくて贅沢なものを好む谷崎らしい。題字は松子さんの字です。サインもしていただきました」

「谷崎潤一郎は好きですが、まさか自分が谷崎とその周りの方との関係を書くことになるとは思っていなかったです。資料を色々調べていくと、谷崎はものすごく理知的に文学を生んでいる人だと思いました」桐野夏生さんが『デンジャラス』執筆に至る経緯、スキャンダラスな私生活をそのまま小説にする谷崎文学の妖しい魅力を語ります。話題は谷崎が愛した女性たちから、「現代の女性の居場所」にまで及びます。

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<桐野夏生 プロフィール>
1998年『OUT』で第51回日本推理作家協会賞受賞。1999年『柔らかな頬』で第121回直木賞受賞。
2004年『残虐記』で第17回柴田錬三郎賞受賞。2008年『東京島』で第44回谷崎潤一郎賞受賞。
2011年『ナニカアル』で第62回讀賣文学賞受賞。2015年には紫綬褒章を受章。

桐野夏生の最新作!『デンジャラス』
2017.6.10発売 中央公論新社
君臨する男。寵愛される女たち――。谷崎潤一郎が晩年に作り上げた理想の〈家族帝国〉で繰り広げられる妖しい四角関係の行く末とは? 桐野夏生が、日本文学史上最も危険で貪欲な文豪の「業」に焦点をあて、新たな小説へと昇華させる!