また年が明ける。

「先の見えない時代だ」と誰もが言う。
ネットやテレビを見れば、
「世の中はもっと悪くなる」という
言説ばかり。
「未来は明るい」と言う大人など、
どこにもいない。

しかし。 社会全体が悪い方向に向かおうが、
個人として夢をつかみ、
充実した日々を送っている人々は
確かに存在する。

10代の時に聴いていたラジオをきっかけに、
ミュージシャンになった。
脚本家になった。
看護師になった。
好きな人と家庭を築けた。

大晦日。 メディアはきっと、
“大きな物語”ばかりを扱っている。
政治、経済、国家、平和......
それと比べたら、彼らの話など、
“ちっぽけな物語”に過ぎない。

それでも。
いつかつかんだ“未来の鍵”を握りしめ、
夢への扉をこじ開けた彼らの言葉は、
メディアから流れてくる“ぼんやりした不安”を
吹き飛ばせる希望に満ちているはず。

年末くらい、希望を語ろう。
年始くらい、夢を歌おう。

たとえどんな時代が来たとしても、
僕らは生き続けるしかないのだから。