True Colors CARAVAN in Sapporoレポート@札幌・札幌市北三条広場
2022
REPORT

True Colors CARAVAN in Sapporoレポート@札幌・札幌市北三条広場

生徒のみなさんこんにちは!
SCHOOL OF LOCK! 職員の新人職員Nです。

2022年7月17日(日曜日)北海道の札幌市北三条広場(通称・アカプラ)にて、「True Colors CARAVAN in Sapporo」が開催されました。

SCHOOL OF LOCK! では、毎週月曜夜11時からのSOCIAL LOCKS!で、「True Colors CARAVAN」とのコラボレーション授業をお届け中!

そんなSOCIAL LOCKS!の課外授業を、今月は札幌で行ってきました。

当日は、あいにくの豪雨。
生徒のみんな来てくれるのかな? と不安な気持ちで会場入りしましたが、たくさんの生徒が傘をさして集まってくれていました。みんな来てくれてありがとう!

ステージも急遽雨除けのテントを張って準備はばっちり!
いよいよSOCIAL LOCKS! 課外授業がスタートです。

True Colors CARAVAN

今回司会を務めたのは、元SCHOOL OF LOCK! の生徒で、現在はAIR-G' FM北海道『IMAREAL』のパーソナリティを務める、森本優先生
森本先生に呼び込まれて、ぺえ教頭・とーやま委員が登場しました。

True Colors CARAVAN
True Colors CARAVAN

実はぺえ教頭、ちゃんと北海道に来たのは今回が初めて。前日から前乗りして、海鮮丼に北海道のお米『ななつぼし』、味噌バターラーメンと、すでに北海道を大満喫したと話していました。(とーやま委員曰はく、これは成人男性3日分の食事量に匹敵する)

とーやま委員は、地元北海道でのイベント開催。さらに、学生時代は今回の会場であるアカプラ近くをよく通っていたということで、終始テンション高めでお送りしていきました。

True Colors CARAVAN

続いて、ゲスト講師が登場。
まずは…今年の3月までSCHOOL OF LOCK! 女子クラスの生徒として声を届けてくれれていた、山之内すずさん
女子クラス時代に引き続き、『すずのうち先生』と呼んで欲しいと自己紹介しました。

True Colors CARAVAN

もう1人のゲスト講師は…全盲のロックギタリスト 田川ヒロアキ先生!かっこいいギターのサウンドとともに登場しました。

田川先生は、日本国内はもちろん、世界各国で、ライブコンサートやイベント、学校や医療機関での演奏、講演会などの他、コンポーザーやプロデューサーとして、TVやラジオ、CMソングの作曲も多数手がけているギタリストです。
去年、山口県で行われた「東京2020聖火リレーセレブレーション」「東京2020パラリンピック開会式」 にも出演されています。

そんな田川先生、実は、先月広島でおこなったTrue Colors CARAVANに登場した、義足のプロダンサー大前光市先生とも共演経験あるそう。意外な接点でさっそく話が盛り上がりました。

続いて、田川先生に、今日なんと呼べばいいか、確認すると…「“田川”と呼んでください」とのこと。すずのうち先生が恐る恐る“田川”と呼びかけるワンシーンもありました。

さらに、サービス精神旺盛な田川先生。自己紹介代わりに、学校チャイムをギターで生演奏!豪雨をも演出に感じさせるかっこいいサウンドに、「めちゃくちゃかっこいい! 」「すごい!! 」と感激の声が上がりました。

True Colors CARAVAN

現在ギタリストとして活躍する田川先生ですが、実はその演奏方法が独特。先天性の視覚障害により、一般のギター奏法を見た経験がないため、ギターのネックを逆から持ち、ピアノのようなスタイルで演奏をするのが、彼のスタイルとして確立されています。

そんな独自の演奏方法が確立するまでの裏話について。初めてギターに触れた小学3年生の頃から、実はずっとギターを膝の上に置いてピアノのような形で演奏をしていたが、中学生になりロックバンドに入りたいと思った時に、『ギターを膝に置いて演奏していたらバンドに入れないらしい』と知り、工夫して現在の形に至ったのだと教えてくれました。

ちなみに、自分のギターの持ち方が一般的な持ち方と逆だと気づいたのは、バンドで初めて学園祭に出演した時のこと。周りの学生が指摘してくれたものの、その頃にはもう一般的な持ち方には直せなくなっていたとのことでした。

とーやま委員から、「独自のスタイルで満足いく演奏ができるまでに、心が折れそうになったことは?」と質問を投げかけると、田川先生は「満足いく演奏ができるまでに数年かかったが、元々、どうやったら自分の奏でたい音が出るか研究するのが好きだったので、苦だと思ったことはなかった。理想に近づいていくのが嬉しくて夢中だった。」とコメント。練習方法としては、ラジオから流れてくる音を自分の鳴らす音と聞きくらべて練習を重ねていたとも話してくれました。

True Colors CARAVAN

すずのうち先生から、「ギターに出会ってから今までで、一番感動したことは?」という質問があると、田川先生は、「ロックの本場 アメリカ人の前で演奏した時に浴びた歓声が忘れられない。言葉では表現できない感動があった。」「パラリンピックで布袋寅泰さんとデコトラに乗って演奏したが、演奏前に、布袋さんが『俺たち今から最高のロックバンドになるぞ。かっこよく行こう! 』とげきを飛ばした。そのあと並んでギターを鳴らした。最高のシチュエーションだと思った。」と話してくれました。

True Colors CARAVAN

さらに、とーやま委員からの「田川先生にとってギターとは?」という質問に対して、田川先生は、「ギターは私にとって、繋がる手段」と回答。
ペえ教頭は、「自分で可能性を切り拓いている田川先生はかっこいい。私たちも繋がれて嬉しいです。」とコメントしました。

続いて、「SOCIAL LOCKS! 」に届いた生徒からのメッセージを紹介。

最初に紹介したのは、【RN 江戸川 新潟県 15歳】からのメッセージ。
“LGBTQ+という言葉をよく聞くようになりました。テレビなどでジェンダーに関する話題が増えていく中で、「恋人ができたときに、性別は?どっち?って聞けるような時代になったらいいよね」というのを何度か目にしました。みんな生きやすいようにと考える人が増えてきたことはとても嬉しいことですが、このようなものはどうしても疑問が残ってしまいます。なぜ男か女に当てはめないといけないのでしょうか。男女に当てはまらない人がいることを知ってほしいです。”という生徒の声に…

ペえ教頭は「普段SOCIAL LOCKS! をやっている中でも、“ジェンダーの悩み、男じゃなきゃダメなのか? 女じゃなきゃダメなのか? 何かに括られることが苦しい”というメッセージは多いと感じる。こういうメッセージが若い子のメッセージとして届いてくれることは、世の中が変わって行くいいきっかけになると思うから、当事者として私も嬉しい。」とコメント。

すずのうち先生は、「男女に当てはめるということは、自分たちが生まれたときから持ってしまっている固定観念だと思う。“彼氏 彼女”より“恋人 パートナー”少しずつ変わって行けたらと思う。性別関係なく、人として大切にしたい存在がいるのは素敵なことだと思う。」とコメントしました。

田川先生は、「最近、アンケートの性別を書く欄で“どちらでもない”という選択肢を見かけることが増えた。それはすごくいい傾向だと思う。もう少ししたらそれが“どちらでもない”から、もう少し選択しやすい違う言葉になる時代が来るのではないかとも思っている。そうなるためにも、声をあげることが1番大切だと思う。実際に今回北海道に来るときに空港で、僕の長い髪を見たスタッフに『性別は? 』と聞かれた。今は聞かなきゃいけない、けど聞いちゃいけないみたいな微妙な風潮を感じるので、そのうちまた違った聞き方ができるようになるといいなと思う。」とコメント。

それに対してペえ教頭は、「LGBTという言葉が無くなることを願います」と話しました。

次に紹介したのは、【RN みんなにエール 愛知県 19歳】からのメッセージ。
“点字ブロックは視覚障害者の方にとっては、命綱です。それなのに、点字ブロックの上にものを置いたり自転車を止めたりする人がいます。白杖を持って歩いているのにも関わらず見て見ぬふりや暴言を吐く人もいます。もっと視覚障害者の方や点字ブロックのこと、障害があること、全て理解するのは難しいかもしれない。でも、少しでも良いから理解して寄り添ってほしいです。”という生徒の声に…

True Colors CARAVAN

ぺえ教頭は、「去年アキレス腱を断裂して、初めて車いす生活をしたときに、道がふさがっていることや段差があること、坂があることが、こんなに不便なんだ大変なんだということを実感した。気持ちが分かる。」とコメント。

True Colors CARAVAN

すずのうち先生からは、「ホームに点字ブロックがなかったことで、白杖を持っている方が転落してしまった事故があった。そこから点字ブロックを意識してみるようになったが、意外と点字ブロックのない場所は多くて危ないと感じる。国としてしっかり整備することも大事だし、みんなが点字ブロックの大切さを理解することも大事だと思う。もっと広まって欲しい。」というコメントしました。

田川先生からは、「私は両目とも光も見えていないですが、私にとっても点字ブロックは命綱。どんどん増えて欲しい。点字ブロックがあっても、その上に物がおかれていることが多いと感じる。昔、蕎麦屋の出前の自転車にぶつかったことがあって、それが点字ブロックの上だった。トラックの荷台が点字ブロックの上にあったこともあった。その時は、白杖も当たらなくて気づかず顔をぶつけた。結構危ない目に遭ってきた。そういう経験を声にして届けて行きたい。」さらに、「道で声をかけてもらうことはありがたいけど、実はスムーズに歩けている時に声をかけられると、振り向いたことで方向が分からなくなることがある。困ってる様子の時に声をかけてもらえるととても嬉しい。」と話してくれました。ちなみに田川先生が困っている時は、白杖を上に掲げるようにしているとのことでした。

すずのうち先生から、「声をかける時は、どういう風に声をかけるとビックリさせてしまわないですか? 」と質問があると、田川先生は、「人によるが、少しずつ近づきながら声をかけてくれる方もいれば、肩をトントンと叩いて教えてくれる人もいる。緊急事態の時は、あまり考えなくてもとにかく声をかけてくれたら嬉しい」と回答。

とーやま委員から「点字ブロックの上にものを置かないように、置いてあったらどかすように心がけたい。ここにいるみんなには、今日聞いたことを伝えていって欲しい」という言葉がありました。

そして、SOCIAL LOCKS! 課外授業の最後は…
SCHOOL OF LOCK! 恒例、黒板にメッセージを1人1つ書いて発表。
今回書いた文字がこちらです!!

True Colors CARAVAN

田川ヒロアキ先生 “練習しなければ上手くならない→練習すれば上手くなる”
「前者より後者の方が、未来的な言葉で好き。“練習しなければ上手くならない”2つ“ない”が入っている抑圧的な言葉より、“練習すれば上手くなる”未来的な言葉を使っていきたい。」

すずのうち先生 “自分にも他人にも愛を持って”
「愛を持って世界を見たら、変わることってたくさんあるんじゃないかと思う。自分のことを愛せないと、人のことを愛す余裕ってないと思うので、何よりも自分を大事に、その次に人を大事に、その次にもっとたくさんの人を大事に…いろんな人に愛を持てれば、もっと世界はよくなるんじゃないかと思います。」

ぺえ教頭 “心を穏やかに”
「今の荒んだ世の中に、1番必要な心構えかなと思っています。周りを見渡しても暗いニュースが多くて、何を光に進んだらいいか分からない時代だと思うけど、絶対にこれは譲りたくないんだ! っていう魂さえ軸として持っていられれば、どんなことがあっても心穏やかに過ごすことができるかなと思う。心穏やかにすごせれば、今日話に上がったようないろんな人や感覚に寄り添えると思う。みんなでゆっくりと歩んでいければと思います。正直今私も大変な状況なんだけど、今ここにいることは意味があることなんだっていうことだけは信じて行こうと思います。自分の心を大切に生きてください。」

とーやま委員 “飛び込んで知る、それが答えだ!”
「悪天候だったけど、みんな集まってくれましたよね。その結果ここで、田川先生のギター演奏や素敵なお話、すずのうちの言葉やペえ教頭の言葉にも出会えた。今の時代、ネットを見ればいろんなことが書いてあるけど、その中には“本当の答え”もあれば、“答え風のもの”もあると感じている。でもこうして現場に来て感じたことは、すべて本当の答えだと僕は思っている。だから、行ってみようかな? と思ったら行ってみる。あの人と話してみようかな? と思ったら話してみる。そこで感じたことを大事にしてほしいと思います。」

True Colors CARAVAN
True Colors CARAVAN

雨の中課外授業に出席してくれた生徒のみんな、司会の森本先生、素敵なお話をたくさん聞かせてくださった田川先生、東京から駆けつけてくれたすずのうち先生、ありがとうございました。

SOCIAL LOCKS! 課外授業は、8月の『True Colors CARAVAN in Osaka』でも開催予定です。大阪の生徒のみんな、会えるのを楽しみにしています!!
(次は晴れますように☀)

2022.7.17True Colors CARAVAN in Sapporoレポート@札幌・札幌市北三条広場
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