「女の子だけど女の子が好き」という生徒からの声を届けていきました。
2021
放送後記

「女の子だけど女の子が好き」という生徒からの声を届けていきました。

こもり校長

毎週月曜日のこの時間は、『SOCIAL LOCKS!』。生まれた環境のこと、性のこと、障がいのこと、さまざまな生徒の声を届けていきます。

ぺえ教頭

今夜、声を届けてくれるのは…!

ぽんぱんだ

大分県 16歳 高校2年生 RN ぽんぱんだです。
私は、外見も、自分で思う自分の性自認も女の子なんですけど、好きになる対象が男の子ではなくて、女の子です。

普段、友達との会話で好きな人の話とかをすることがよくあって、その時は私も、どんな性別でも通じるような抽象的な表現で自分の好きな人のことを表すんですけど、それは別に嘘をついているわけではなくても、本当のことをきちんと話しているわけではないので、少し心苦しさがあります。

あとは、友達に「もし私が男の子だったら絶対好きになってたよ」って言われたことがあるんですけど、その時に、「女の子のまま好きになったらダメなの?」って言い返したくなりました。そういう話をする時に、相手にちゃんと本当のことを伝えて、相手も本当のことがわかった上で話すことができたら、きっともっと楽しいんだろうなあと思います。

もし恋愛の話を誰かにしたくなったら、自分が話す相手が女の子だったとしたら、「どんな人を彼氏にしたい?」とかじゃなくて、「どんな人と付き合いたい?」っていう聞き方にしてほしいです。少し傷ついてしまう人もいるので、一言だけ踏みとどまって、少しだけ考えて、言葉を選んで言ってほしいです。

「好きな人ってどこ出身? ちなみに性別は?」
そうやって気軽に聞き合える世の中になったらいいなと思います。

こもり校長1
こもり校長

まず、RN ぽんぱんだ、声を届けてくれてありがとう。

なんだろうな…校長も、友達と話す時に「どんな人を彼女にしたい?」とか、けっこう何も考えずに言っちゃってるところもあるし…。

ぺえ教頭

私も、当事者じゃなかったらそうだと思うよ。私も自分がこういう(ぽんぱんだと同じような)経験をしてちょっと違和感を感じて「どういう人が好きなの?」というような聞き方をするようになったから。だからそれは、全然、校長の責任ではないよ。

こもり校長

自分が生きていく中で、言葉を選んで喋ってる時ってあるじゃん。「こうしてほしい」って言う時に、ストレートに言わずに“相手が傷つかないように伝えるにはこういう風に言った方がいいな”とか、自分の中で考えられてるところもあれば、考えられてないところもあるなっていうのは、すごくナチュラルに思った。意識して気を遣うのはプレッシャーだけど、無意識に自分の幅を広げられることが大事な気がする。

ぺえ教頭1
ぺえ教頭

確かに、すごく言葉を選んで私に聞いてくれてるなっていう人も中にはいるんだけど、でもそれって…何ていうのかな、それもそれで違和感があるというか。私のせいですごく気を遣わせちゃってるんだろうなとか、考えすぎな部分もあるけど、逆にそれ(気を遣ってくれること)で居場所がなくなってしまう。だから、すごく難しいところではあるんだろうなとは思うけど…。

私もね、“性自認”は男性なのよ。それで恋愛の対象は男性が好きで、ぽんぱんだと同じなんだけど、でも私も中2ぐらいまではやっぱり誰にも言えなかったし、恋愛の話になるとすごくつまんなかったの。やっぱりなんかこう、嘘をついて好きな人の話をしてる気がしちゃって。

それでカミングアウトをして、最初はやっぱりちょっと引かれたりとか、「えっ?」て言われることもあったんだけど、徐々に徐々に、みんなが違和感なく、“理解”というか“普通”になってくれたから、すごく居心地も良くなったし、私はカミングアウトした後の方が楽しくなった。すごく世界が明るくなった。

これは私の体験ね。みんなが明るくなるわけでもないし、傷つく人も必ずいるのは間違いないんだけど、私はカミングアウトしてすごく心が晴れたし、いろんな人と話すのが楽しくなった。それはやっぱり、自分の本来の姿、本来の心で、本心で話せるようになったからだと思う。

だから、本当はぽんぱんだにもそうなってほしいなと思うけど、それは別に“みんなにわかってもらう”ということじゃなくて、本当に1人でもいい、友達1人でもいいから、“なんか言えるなぁ”みたいな子がいれば話してみてもいいんじゃないかな、と思ったりもする。

こもり校長

RN ぽんぱんだ、改めて、声を届けてくれてありがとう。
『SOCIAL LOCKS!』では、引き続きいろんな生徒の声を届けていきます。

ぺえ教頭

みんなにわかってほしいのにわかってもらえないこと、毎日の中で“もっとこうなれば良いのに”と思っていること、ぜひ直接届けて下さい。特設サイトで待ってます!

2021.12.13「女の子だけど女の子が好き」という生徒からの声を届けていきました。
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