ケータイ・インターネットの歩き方

「入門編」別添「スマートフォン編」

1.スマートフォンとは
 スマートフォン(以下「スマホ」)は、インターネットなどへの接続機能をはじめ、これまでのケータイをはるかに超えるさまざまな機能を兼ね備えており、実際には、携帯電話というより、小さなパソコンと考えた方がよいでしょう。
 パソコン並みに高性能なのに軽くてコンパクトなスマホがあれば、通話やメールは勿論、どこにいても、WebサイトやSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)への投稿や閲覧、スケジュール管理、動画・音楽・電子書籍、通販などを行うことができ、生活に、仕事に、学習に、遊びに、幅広く活用することができます。アプリケーション(以下「アプリ」)をインストールすれば、スマホでできることはさらに広がります。また、スマホは画面をタッチして操作するので誰にでも簡単に操作ができ、触れたところを読み上げてくれる機能があるなど、操作性も大変優れています。
 しかし、様々な機能を持っているからこそ、ケータイ以上に知っておかなければならないこと、注意しなければいけないことがあるのです。もちろん、ケータイやインターネット(詳細は、ケータイ・インターネットの歩き方1 「入門編」をご覧下さい。)のことをきちんと理解しておくことも必要です。その上で、下記をよく読んで、スマホの特性についてもしっかり学びましょう。
2.ウィルスに感染するの?
 スマホはパソコンと同じように、コンピュータ・ウィルスに感染する危険があります。ウィルスに感染してしまうとスマホが使えなくなるというだけでなく、アドレス帳の内容やメールの履歴、保存されていた写真などのデータが壊されたり流出したり、あるいはIDやパスワードが盗まれて悪用されるような被害に遭う可能性があります。場合によっては、スマホ自体をのっとられ、悪い人に利用されてしまうかもしれません。気づかないうちに侵入するウィルスの被害に遭わないために、次のことを実行しましょう。

・セキュリティ対策ソフトを導入する
・ウィルス対策ソフトを常に最新の状態にする
・知らない人や、登録をした覚えのない企業やWebサイトなどからのメールや添付ファイルは開かずに削除する
・開設者が明確ではないなど、怪しげなWebサイトやコンテンツにアクセスしない、利用しない
・アプリは信頼できるものだけを利用し、提供元が不明なアプリなどは利用しない
3.スマホの情報やデータを守るには?
 スマホは小さくて軽いので、どこにでも気軽に持ち運べます。しかし、無くしたり盗まれたりすると、パソコンと同様に、重要な情報や個人情報が流出してしまう危険性があります。個人情報が流出してしまうと、自分が被害に遭うだけでなく、友だちや家族など様々な人に迷惑をかけてしまうかもしれません。また、通話や通信、ショッピングなどに利用されてしまったら、その費用は盗まれた人に請求されてしまいます。
 家を出るときには、玄関に鍵をかけるはずです。「面倒くさいから」を言い訳にせず、スマホ本体にも必ずパスワードなどのロックをかけましょう。メールやアドレス帳、データフォルダーなどにロックをかける機能やアプリもありますので、これらもうまく利用しましょう。また、スマホを無くしてしまったときは、携帯電話会社に連絡して利用の中断やロックをしてもらうことも可能です。
4.不用意に書き込んでいませんか?
 スマホがあれば、いつでもSNSなどを利用することができます。友だちだけでなく実際には会ったことのない人とも、楽しく情報交換をすることができますが、中には過度な正義感を振りかざす人や悪意を持って接してくる人もいます。不用意な書き込みをしたために、誹謗中傷されたり、脅迫を受けたりするようなトラブルも起こっています。
 そのようなトラブルに巻き込まれないように、名前や生年月日、住所、電話番号、顔写真などの個人情報を書き込んだり載せたりしないように注意しましょう。また、友達しか見ないと思っていても、他人に知られたら困るようなことは書き込んではいけません。一度インターネットに書き込んだ内容や流出した個人情報などは、取り返せませんし、半永久的にインターネット上に残ってしまいます。また、バラバラに載せてある情報であっても、情報の断片をかき集めて個人を特定することも可能ですので、友人関係、自分の行動の公開などにも注意が必要です。(詳しくは、ケータイ・インターネットの歩き方5「情報発信の仕方編」をご覧下さい。)
5.「使いすぎ」じゃないですか?
 スマホ依存やネット依存という言葉を聞いたことはありませんか。スマホやパソコンが手元にないとひどく不安になったり、四六時中、インターネットやゲームなどに没頭しすぎて自分では歯止めがきかなくなったりする状態をいいます。寝ないでネットゲームをして学校を休む、ネット以外での対面のコミュニケーションがとれなくなるなど、日常生活に支障をきたす例も見られます。また、ゲームのイベントやアイテム収集のために有料サービスを利用しすぎて、お小遣いどころか家族でも払えないような請求が来てしまうケースも発生しています。
 スマホは、ケータイとパソコンの両方の機能を備えているため、あなたが上手に活用すれば、生活や学習に役立てることができます。しかし、スマホを優先しすぎるあまり、あなたがスマホに支配されてしまっているような状況に陥ってはいけません。そうならないように、次のことを心がけましょう。

・家族、友だち、先生などとの、リアルなコミュニケーションを大切にする
・食事、宿題、登下校など、自分のやるべきことを優先し、スマホはその次に
・使っていないときは手から離す(例:歩きながら・自転車に乗りながら・入浴中はスマホを見ない)
・使わない時間帯を設ける(例:勉強中・就寝中は電源を切る)
6.不安を感じたら、信頼できる身近な大人や相談窓口に
 なぜ、多くの人がスマホを持つようになったのでしょう。
 はじめに述べたように、通話やメールだけでなく、Webサイトの閲覧、バラエティーに富んだアプリなど、実用性に加え動画・音楽・電子書籍、SNSといった様々な楽しみ方ができることに魅力を感じている人が多いからではないでしょうか。
 様々な楽しみ方ができるというメリットの反面、それに伴う危険(リスク)もあります。スマホはとても便利なものですが、メリットも危険(リスク)も、どちらもケータイ以上なのだということを忘れずに、十分に気をつけて使うことが大切です。
しかし、どんなに気をつけていても、被害に遭ってしまうことがあるかも知れません。少しでも不安を感じたら、「しかられる!」「面倒くさい!」などと考えず、すぐに保護者や先生など、信頼できる身近な大人に相談することが一番の安全策です。専門の窓口もありますから、大人と相談しながら状況に応じて利用してください。

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