
沈む国を撮り続ける男
遠藤秀一 (えんどう しゅういち)

南太平洋に浮かぶ、サンゴ礁で出来た9つの島からなる小さな国、ツバル。この国に住む1万人の人たちは、毎日食べる分だけの魚を獲り、タロイモやバナナを栽培し、自給自足の生活を過ごしている。
2000年もの間、美しく慎ましい営みを続けてきた、このツバルが、今、海に沈んで消えようとしている。先進国が出す二酸化炭素によって。
地球温暖化の影響で、ツバル周辺の海面は、1993年以来、毎年5.8メートルずつ上昇。
海水の侵食で、この10年間で、海岸線が10メートルも削りとられている。ついには、海水が地面から湧き出て、海水の塩分によって、作物も育たず井戸も使えなくなってしまった。
ツバルの人々は温暖化の原因を作ったことがない。
しかし金銭的に豊かではない彼らは、国が海に沈んでいくのを、黙って見ているしかない。
写真家である遠藤は、このあまりにも悲しい現状を、1人でも多くの人に知ってもらうため、ツバルを訪れた。そして、写真を撮り始めた。
ツバルに住む、1万人の国民、全員を、1枚1枚。
『ツバルに生きる1万人の人類』プロジェクト。
私たちに、国を奪われようとしている南の島の人たちを、遠藤は1人1人、写真に収め続ける。現在、撮影終了、340人。 1万人まで、あと9660人。
さあ、アナタは、コレを聞いて、何を思いますか?
参考HP: 『 ツバルに生きる一万人の人類 』
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