今年で、67歳になったサー・ポール・マッカートニー。
ビートルズとしてデビューして以来、ポップス界で最も成功した作曲家として、世界中で愛されるミュージシャンの一人です。
今年9月に、全オリジナル・アルバムをリマスターしたCDがリリースされ、改めて、ポール・マッカートニーの作る曲の世界に浸られた方も多いのではないでしょうか?そんな彼は先月、ニューヨークでのライブを収めたアルバム「Good Evening New York City」をリリースしています。そのライブからは、とても67歳とは思えない、エネルギッシュなポールを見ることができます。
会場は、ビートルズが1965年に史上初めてスタジアム・コンサートを行ったシェア・スタジアムの代わりにできた新球場「シティ・フィールド」。そのオープニングイベントと言うだけに、様々な想いがあってのライブだったようです。
彼が67歳にもかかわらず、精力的にライブを行うその理由。それは、彼の歌を愛してくれる観客のため。そして、根っからのバンドマン気質が彼を突き動かしているようです。
1970年のビートルズ脱退宣言後、「もう一度、小さなクラブからやり直そう」とメンバーに提案するポール。そう、ビートルズは、1966年からライブ活動を停止していたのです。生の音楽を愛し、音楽をパフォーマンスすることで、自らも癒される場として、ライブは欠かせないものとなっていたのでした。
「Let It Be」
Paul McCartney
今から29年前。ジョン・レノンが亡くなり、しばらく人前から遠ざかっていたポール。そんな彼が、85年のライブ・エイドに出演した時に体験したのが、観客がくれた大きな愛…。
次から次へとミュージシャンが登場したウェンブリー・スタジアム。そんな中、登場したポールが「Let It Be」を歌おうとした時、ハプニングが起こります。マイクトラブルのため、彼の歌声が会場に届いていなかったのです。しかし、そこに鳴り響いていたのは、確かにビートルズの名曲、「Let It Be」でした。そうです、およそ8万人の観客が合唱していたのでした。この歌声に感動したポールは、ザ・ビートルズが今なお多くの人々に愛されているのかを体感し、再び、精力的なツアーを開始し、世界中を巡り始めたのです。