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THE ONE 音楽界の偉人を毎週1人ピックアップ。アーティストの持つ世界をみつめます

2010年9月26日(日)
The Rolling Stones
「She's A Rainbow」
The Rolling Stones
She's A Rainbow / The Rolling Stones
1963年にデビューしてから、2010年の今日まで、ずーっと第一線で活躍しているモンスター。幻のライブ映画と言われた「レディース・アンド・ジェントルマン」が、先日(9月23日)に、武道館で公開されて話題になったばかりです。
1963年、イギリスで一つのバンドがデビューしました。ザ・ローリング・ストーンズ。現在、世界最高のロックバンドと評される彼らですが、世界の音楽を変えてしまったバンド、ビートルズを逃してしまったレコード会社デッカが、彼らに続けと世に放ったバンドでした。
世界第二次大戦のさなか、同じ病院で生まれたミック・ジャガーとキース・リチャーズ。イギリス人でありながら、当時では珍しく、アメリカのブルースにのめりこんでいた彼らが、今は亡きリーダー、ブライアン・ジョーンズのメンバー募集で結成されたのがローリング・ストーンズでした。メンバーは、18歳のミック・ジャガーに、ギターのキース・リチャーズ、そして、彼らと以前からバンドのメンバーだった、ベースのディック・テイラーと、スライドギターを弾きこなし、ミックたちの憧れだった20歳のブライアン・ジョーンズ。さらに、メンバー募集で集まったキーボードのイアン・スチュアート。この時はまだ、ドラマーはいませんでした。結成当時のローリング・ストーンズは、リズム・アンド・ブルースのカバーがレパートリーでした。この頃、ミックは「2年も持たないだろう」と思っていたといいます。
イギリスでは、ビートルズがデビューし、最初のシングル「ラブ・ミー・ドゥ」をリリース。翌年には、「プリーズ・プリーズ・ミー」がNo.1を獲得し、時代がまさに変わろうとしている、そんなタイミング。ビートルズに続いて、新しいバンド、これまでにないサウンドを聞かせてくれるバンドはないかとデッカレコードが見つけたのが、当時、裕福な人たちが暮らすリッチモンドで人気を博していたローリング・ストーンズでした。結成当時は、ファンが30人もいなかった彼らでしたが、2か月を過ぎると、350人を超すファンが詰めかけるほどに成長し、その噂を聞きつけて、ビートルズが演奏を見に来るほどになっていました。
「I Wanna Be Your Man」
The Rolling Stones
I Wanna Be Your Man / The Rolling Stones
レコード会社と契約を決め、彼らが最初に放ったシングルは、チャック・ベリーのカバーソング「カム・オン」。全英チャート21位。まずまずの滑り出しを見せましたが、レコード会社としては、満足のいくものではありませんでした。彼らの人気を定着させるためには、次なる曲が必要・・・。しかし、この頃の彼らは、オリジナルを作るという意欲がありませんでした。困り果てるマネージャー。
そんな時に、マネージャーが偶然出会ったのが、ビートルズのジョンとポールでした。以前からストーンズと交流のあったジョンとポールは、マネージャーから話を聞くと、そのままストーンズのいるリハーサルスタジオへ。そこで出来たのが、彼らのセカンドシングルとなった「I Wanna Be Your Man」でした。リハーサルスタジオに向かった、ビートルズのジョンとポール。「書きかけの曲があるんだ」と、ストーンズの前でさわりを歌ったジョンとポールは、その勢いのまま、15分で曲を完成させたと言います。そして「I Wanna Be Your Man」は、ストーンズのセカンドシングルとなりました。「I Wanna Be Your Man」は、全英12位を記録。観客もアッパーな人達から、ステージに向けて金切り声をあげる10代の少女たちへと変化し、ビートルズに続く、ポップスターへの仲間入りを果たしていきます。このヒットで、ミックは音楽に専念することを決意。そして、ミックとキースによる曲作りがスタートするのです。しかし、彼らのオリジナルがヒットするまでには、時間がかかりました。最初にできた曲「It Should Be You」は、ストーンズに合わないという事で、ジョージ・ビーンというアーティストが歌うことになります。続いて完成させた「That Girls Belongs To yesterday」も、ストーンズのイメージと違うからと、アメリカのアーティストにプレゼントしてしまいます。
なかなかオリジナルがリリース出来ない中で、彼らはあきらめて、カバー曲だけでアルバム制作を始めます。そんな中、1964年にリリースされたバディ・ホリーのカバー曲、「ノット・フェイド・アウェイ」が、全英チャートで3位を記録。これをきっかけに、アメリカでのデビューが決まり、ファーストアルバム「ローリング・ストーンズ」は、イギリス国内でビートルズの「ウィズ・ザ・ビートルズ」を押しのけてNo.1を獲得。その後、何と12週間もの間、トップを走るという大ヒットになります。このアルバムのジャケットでは、笑顔を見せることなく写っているメンバー。それまでのイギリスではありえない、ハードなイメージを前面に出し、若者の心をくすぐるストーンズ。このイメージによって、ストーンズはイギリスの若者を熱狂の渦に巻き込んでいったのです。
「Tumbling Dice」
The Rolling Stones
Tumbling Dice / The Rolling Stones
デビュー当時は、カバー曲ばかりだったローリング・ストーンズ。彼らがオリジナル曲を発表したのは、アメリカでの3rdジングル「テル・ミー」でした。ビートルズのジョンとポールに次ぐコンビと言われる、ミックとキース。彼らの才能が開花するまでには、長い時間がありました。しかし、彼らは現在まで解散することなく、第一線で活動を続けています。最年長のドラマー、チャーリー・ワッツは、今年で69歳。ミック・ジャガーと、キース・リチャーズは67歳。ベースのロン・ウッドは、63歳。前人未到のロックバンドです。
これまでに長い歴史を刻んできたローリング・ストーンズ。デビュー当時からの不良っぽいイメージはそのままに、年を重ね、いまなお勢いのあるサウンドを聞かせてくれます。
このライブ映画は、古き時代のライブ映画というだけでなく、その当時を体感できる貴重な作品なのかもしれません。生きるレジェンド、ローリングストーンズ。次なる活動が楽しみです。
今夜は、ローリングストーンズをピックアップしました。

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