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THE ONE 音楽界の偉人を毎週1人ピックアップ。アーティストの持つ世界をみつめます

2010年12月5日(日)
David Archuleta
「Crush」
David Archuleta
Crush / David Archuleta
「アメリカン・アイドル準優勝」というとても華やかな称号をもつデヴィッド・アーチュレッタ。2002年からスタートし、毎回10万人が応募するというアメリカきってのオーディション番組を勝ち抜いてきた彼は、今月で20歳を迎える人なつっこい笑顔が印象的な青年です。現在まで、9シーズンが開催された「アメリカン・アイドル」。彼は2年前の「シーンズ7」の準優勝者ですが、先日行われた「あなたにとって最高のアメリカン・アイドルは?」というアンケートにおいて、92%もの支持を受け、トップに立ちました。彼は、なぜそこまで人々を惹き付けるのでしょうか?
華やかなデビューを飾ったデヴィッド・アーチュレッタ。しかし、ここまでの道のりは決して楽なものではありませんでした。彼は、ラテンジャズのトランペット奏者の父親と、ラテン歌手であり、サルサのダンサーでもある母親との間に生まれました。アメリカのフロリダに生まれた彼は、6歳の時にユタに引っ越します。その引っ越し作業中に、父が、暇つぶしにと見せたのが、ミュージカル「レ・ミゼラブル」の上演10周年のコンサートビデオでした。母からピアノを習っていた彼は、そのビデオの虜となり、繰り返しビデオを見ては、歌をものにしていきました。その歌は、教会のイベントや家族の集まりで披露されましたが、この頃はまだ、自分の歌が人々に受け入れられるとは思っていなかったといいます。しかし、彼が10歳の時、母の勧めで受けたコンテストで見事優勝。その後12歳で、「アメリカン・アイドル」の前哨戦ともいえるテレビ番組に出場し、審査員から絶賛され優勝します。普通ならここで、運命の扉が開いてもおかしくありません。しかし当時、アメリカはイラク戦争へと突入。何と、彼の歌声は放送されることなく終わってしまったのです。
「Something 'Bout Love」
David Archuleta
Something 'Bout Love / David Archuleta
翌年、再び同じオーディションに出場しますが、その時、彼は気管支炎を患っていました。家族の心配を振り切って出場したものの、ファイナル直前でダウン。さらに、無理をしつづけた声帯はウィルスに侵され、一時、彼は声を失ってしまいます。そして、声を失ってしまったことで、彼はCDデビューの機会をも逃してしまいました。度重なる不運。運命に打ちのめされそうになりながらも、彼は、1年半の歳月をかけ声を取り戻し、2007年、「アメリカン・アイドル」に応募可能な16歳になります。再び、歌手への夢をかけ、サンディエゴでの予選に挑戦。1年半にもわたるリハビリのもと、奇跡的に取り戻した彼の歌声は、多くの審査員を魅了し、ようやくデビューへと繋がっていったのです。
2年ぶりにリリースされたNEWアルバムで、彼は全ての曲作りにかかわっています。前作のデビューアルバムでも、何曲かは携わっていましたが、今回は、多くの曲にかかわる事で、彼のパーソナリティーがより表に現れ、アルバムタイトル「THE OTHER SIDE OF DOWN」という言葉にも、「ダウンの向こうには必ずアップがある」と、前進と進化をつづけていこうという、彼からのメッセージが詰まっています。一度は声を失った彼だからこそ書ける、前向きな歌。インタビューで彼は「人生の全てが、ものすごくハードで複雑であるかのように振舞うのではなくて、ここから先は上にいくしかないと考えてみることにしているんだ。どんなに困難な状況でも、僕らがどんな決断を下すか、どう対処するかによって、どうにでもなる。諦めずにポジティブな姿勢を維持してハードワークを続ければ、人生を好転させることは出来るし、他人にもいい影響を及ぼすことが出来るさ。」と語っています。
「Things Are Gonna Get Better」
David Archuleta
Things Are Gonna Get Better / David Archuleta
アメリカン・アイドルという、多忙で華やかな生活を送っている彼ですが、決して驕ることなく、常に、自分に素晴らしい声を与えてくれた神に感謝し、出来るだけ多くを返していきたいと、日々、人々の前で歌うチャンスに参加し、その才能をおしみなく披露しています。そして彼は、こうも語っています。「自分がここにいて、いまこうしている事には、何らかの理由があるはずだと思っている。だから、自分に対して期待されていることを、それが終わってしまわないうちに確実なものにしたいんだ。いつ、これが終わってしまうのかは分からない。しかし、僕にはこの機会が与えられた。だからこそ、それを最高に生かしていきたいんだ」。 自分だけでなく、様々な苦しみ・悩みを抱えた人々を勇気づけていきたい。デヴィッド・アーチュレッタのラヴ・ソングは、天使の歌声のように私たちに降り注ぐのです。「立派な人間になろうとしているわけじゃなくて、ただいつも自分らしくいたいんだ。」そう語る彼の最新作には、愛しい人へ語りかけるラヴ・ソングだけでなく、遠く離れた家族や、辛い毎日でくじけそうになっている人々に対しても、優しく語りかける曲が収録されています。
そんな彼は、有名人となった現在の生活の中で、シンプルな事が最高だと思えると語っています。例えば、家族と過ごす時間であったり、妹を食事に連れて行ってあげることなど。家族想いで優しい彼の一面が伺えるエピソードです。今がいつ終わっても、後悔しないように、神から与えられたこの機会を最高に生かしたい。一瞬一瞬を、輝くときにするのはあなた次第。そう勇気を与えてくれる、デヴィッド・アーチュレッタです。
今夜は、デヴィッド・アーチュレッタをピックアップしました。

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