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2011年1月2日(日)
徳永英明
「夢を信じて」
徳永英明
夢を信じて / 徳永英明
2010年11月28日、東京国際フォーラムで行われたツアー最終日、会場は温かい拍手で包まれました。『終わりは始まりの日だと思います。今日から25周年に向かって進んでいきます。』そう感謝の言葉を伝えた徳永さん。そう、彼は今年、デビュー25周年のアニバーサリーイヤーを迎えました。
『終わりは始まり』これは、アマチュア時代から変わらない、彼の考え方。ここに、徳永さんが25年にも渡って、私たちを魅了する理由があるように思います。ひと口に25年と言っても、徳永さんには、試練という大波が、何度も打ち寄せました。デビューの時から、二人三脚で苦労を共にしてきた社長との別れ。自ら立ち上げた事務所の運営は、つまずくことが多く、リセットの連続。急性胃潰瘍や声帯ポリープも患い、引退を考えたこともあるそうです。沈んでは浮き上がり、浮き上がっては、また海底深く沈み込む・・・。はたからは、順調に活動しているように見えて、内側では、そんな状況が2001年まで続いていたといいます。そして、とうとう、原因不明の難病を発症。徳永さんは療養のため、表舞台を離れます。
『でも僕はね、怖くなかったんだ。周りは心配のエネルギーで満ちていたけど、僕には、確実な次の一歩が見えていたんだ。』当時のことを振り返って、エッセイに、こう綴った徳永さん。『嫌だと捉えてしまうことほど、天からのお試しだと思った。そう「お試し」。そこを超えなければ未来はない。』彼は、こんな風に自分を奮い立たせ、病気と闘ったそうです。そして、1年8ヶ月。徳永さんは病を封じ込め、日常生活が送れるまで回復しました。すると、すぐにレコード会社を移籍。名前の表記を旧字体に変え、音楽活動を再開させます。『僕は2003年2月27日に再デビューしたつもりでいますから。』そうキッパリ言う徳永さん。過去に区切りをつけて、またスタートラインに立ったのです。
「時代 」
徳永英明
時代  / 徳永英明
再デビューは、「カバーを出したい」という、徳永さんの発言からスタートしました。シンガーソングライターとして、人生最大の危機を乗り越えた彼が、まず取り組んだのは、すでに世に出回った曲を、歌うことだけに徹して、カバーすることだったのです。彼は、自分がカバーする理由を、
昔から興味があったと言う“くらげ”に例えて、こう語っています。『くらげって、今の科学が追い求めているクローン化を、昔からやってる。べにくらげは、自分が死んで溶けちゃっても、もとの自分を思い出して生まれてくる・・・。つまり、もとの自分を追い出して、また生まれ変わっていくんです。究極の輪廻転生。ボーカリスト・シリーズも同じ。名曲に息吹を吹き込んで、生まれ変わらせるということなんです。』
女性アーティストの名曲をカバーしたアルバム「ボーカリスト」シリーズは去年までに4作がリリースされ、トータルで500万枚をセールス。アーティスト・徳永秀明の、もうひとつのライフワークとなりました。
「Hello」
徳永英明
Hello / 徳永英明
『終わりは始まり』。再デビューと同時に、新しいプロジェクトを成功させた徳永さんは、まさに、そのことを実現し、証明したのです。だからこそ、徳永さんが言葉を紡ぐオリジナルの曲も、リスナーにストレートに伝わり、心をふるわせるのでしょう。『僕らは意識しだいで、どんなことでも乗り越えられる。明日は必ず来る。前を見上げていればいい。負けそうな時は、自分自身をリセットして、もう一度「Hello」って言えばいいんです。』
『25周年には、世界の人たちにも届くようなアルバムを作りたい』と語る徳永さん。その思いをのせて、今月19日には、アニバーサリーイヤー、第一弾のニューシングル「春の雪」がリリースされます。カップリングには、1986年にリリースされた彼のデビュー曲「レイニーブルー」もセルフカバーで収録されるそうです。
中学2年の時、「お前は将来、歌手になるんだぞ」という天からの声を聞き、歌手を目指したという徳永さん。多くの困難を乗り越え、夢を実現させてきた徳永さんなら世界への思いも、きっと届くでしょう。今夜は、徳永英明さんをピックアップしました。

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