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THE ONE 音楽界の偉人を毎週1人ピックアップ。アーティストの持つ世界をみつめます

2011年5月22日(日)
Nile Rodgers
「おしゃれフリーク」
CHIC
おしゃれフリーク / CHIC
80年代のディスコサウンドで外せないバンド、シックのギタリストであり、80年代の音楽の流れを作り出した名プロデューサーですよね。4月の来日に続いて、アジアツアーの最後に、来週再び日本でのライブが決定しています。癌との闘い、親友へのオマージュ。様々な想いを抱いて、再び日本に降り立つ彼の心の中にあるのは、日本へのポジティブ・パワーのプレゼントなのです。
ナイル・ロジャースと聞くと、みなさんはバンド「シック」と言う人、ギタリストと言う人、プロデューサーと言う人、様々なのではないでしょうか。それだけ、音楽業界に与えてきた貢献は大きく、今なお愛される人物であります。ナイル・ロジャースは1952年、NY生まれ。生粋のニューヨーカーである彼は、NY郊外で生まれた、後の朋友となるバーナード・エドワーズと「ニューヨーク・シティ」というバンドで出逢い、意気投合します。その後2人は、スタジオミュージシャンとして働き始め、ナイルが参加したレコーディングは、アイズレー・ブラザーズやマンハッタン・トランスファーなど一流アーティストばかり。そこで出会ったサックスのケニー・リーマンを誘い、自分たちのバンドを作る事になります。1977年。ナイル・ロジャース25歳。7人のメンバーでシックが結成され、デビューアルバム「Chic」をリリースします。彼らの人気は、一気に火がつきました。78年にリリースしたシングル「ダンス・ダンス・ダンス」は全米チャートで6位を記録。セカンドアルバムからは、『おしゃれフリーク』が全米No.1。サードアルバムからも「グッド・タイムズ」を全米No.1に送り込み、デビューから2年、シック人気は頂点へと向かいます。
「上品な」「洗練された」という言葉をつけた「Chic」。それまでのディスコサウンドとは違い、洗練されたタイトなリズムにストリングスとホーンが絡みあうオリジナリティあふれるサウンド。7人編成ではあったものの、中心メンバーであるギターのナイルと、ベースのバーナードを固定として、残りのメンバーは常に入れ替え。実質的には、この2人によるプロジェクトでした。彼らの作りだす「シック・サウンド」は多くのミュージシャンからも支持され、プロデュースを担当したシスター・スレッジのアルバムは大ヒット。その後も、ダイアナ・ロスを見事復活させた「アップサイド・ダウン」など、ナイルとバーナードのコンビはプロデューサーとして時代の音を作り上げて行ったのです。ナイルは、個人でも1983年、デヴィッド・ボウイの「レッツ・ダンス」さらに84年には、マドンナの「ライク・ア・バージン」と、次々と大ヒットを世に放ち、多忙な日々を送ります。
「Good Times」
CHIC
Good Times / CHIC
プロデューサーとして確固たる地位を築いたナイル。しばらくは裏方に徹していたナイルですが、1990年、満を持してシックは再結成します。順風満帆に見えたシックの再結成。しかし1996年、ナイル・ロジャース名義のアルバム「シック・フリーク」を最後に、朋友バーナードとの関係は突然、終わりを迎えるのです。1996年、日本で企画されたイベントに出演するため、朋友バーナード、そして自分が手がけたアーティストと共に初来日を果たしたナイル。日本武道館と大阪城ホールで行われたライブは、盛況に終わりました。しかし、そのライブから2日後、日本のホテルで突然、バーナードが亡くなってしまったのです。発見された時にはすでに脈はなく、まだ43歳という若さでした。実はこの時、倒れていたバーナードを発見したのは、ナイル本人。たび重なるモーニング・コールに答えないバーナードを心配して、部屋を訪れたのだそうです。その時の事を彼はこう語っています。「その日は、暖かい春の一日だったが、僕にとっては、人生でもっとも寒さに凍えた日だった。自分は決して、再びシックの音楽をプレイする事はないだろうと思った」。実は以前、バーナードから「自分は癌だった」と打ち明けられ、しかし完治したとも聞いていたんだそうです。それだけに、バーナードの突然の死はナイルに大きな悲しみを与えました。その後数年間、ナイルは仕事が手につかず活動が休止。しかし、再び日本に招かれた時、シックを続けなければと悟ったそうです。それ以来、彼は毎年4月に日本に来日し、演奏を続けています。彼らがステージに立つときは、白い衣装に身を包み、今は亡き友への追悼を込めて演奏しているのです。
「I Wanna Dance」
CHIC AND KOOL & THE GANG
I Wanna Dance / CHIC AND KOOL & THE GANG
バーナードの死から15年。今年はナイル・ロジャースとって大切な年でした。先日、日本企画のコンビレーション・アルバム「エヴリバディ・ダンス!」がリリースされました。彼はこうコメントを寄せています。「このアルバムは、僕の長年のパートナーであるバーナードと、日本の皆さんに捧げるものだ。僕は日本で、毎年のように春に演奏している。桜の季節は僕にとって、とても大切なんだ。なぜなら、最高の友を亡くした時だから。そして、日本で多くの新しい友人を得た時期でもあるから。僕の作品に対する大切な扱いと敬意は、日本が僕の第二の故郷であると感じさせてくれたんだ。」
昨年10月、医師から前立腺癌であると告げられたナイル。指に力が入らず、ギター・ピックが握れなかったといいます。しかし、今年1月に手術し、現在は苦しいリハビリを続けています。そんな中、今年も4月に来日公演を果たしました。彼はブログにこうつづっています。「春の日本は、一年でもっとも素晴らしい時期だ。今、日本の人々は最悪の惨事に見舞われている。しかし、僕は、彼らが強い精神力を持っている事を知っている。彼らが僕と同じように復活し、元気になると信じている。日本ほど素晴らしい場所はないからだ。特に春はね。」4月の来日公演の後、アジアツアーに出ていましたが、来週29日、再び、東京での公演が決定しています。「身体で感じさせる」音楽を作りたくてやってきた。そう語るナイル。悲しみを乗り越え、人々をハッピーにさせてくれる彼のサウンドで私たちも踊り続けていきたいですね。今夜は、ナイル・ロジャースをピックアップしました。

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