Every Sunday 12:30-12:55 JFN 38stations
2011年7月3日(日)
Paul Simon
「Dazzling Blue」
Paul Simon
今年の10月で、70歳を迎えるポール・サイモン。1941年、彼は、牧師でトップ・クラスのベーシストだった父親と、教師であった母親の間に生まれ、
幼いころから音楽の楽しさを体感しながら育ちました。そして、小学校で、アート・ガーファンクルと運命の出会い。16歳で「トム&ジェリー」の名前でTV番組に出演し、早々にデビューを果たしました。アート・ガーファンクルが大学で建築を学ぶ一方で、ポール・サイモンは、ロックシーでスターを目指し、様々な名義で活動を続けていきました。そして1964年。音楽性をフォークに変更し、彼らはサイモン&ガーファンクルとして、活動を再開させました。今では名盤と言われるデビューアルバム「水曜の朝、午前3時」ですが、発売当時は注目されることもなく、ポールは名を上げるため、単独でイギリスに渡り、アルバムをリリースしたりしています。しかし翌年にリリースされた「サウンド・オブ・サイレンス」は話題を呼び、年の暮れには全米でNo.1を獲得。これをきっかけに、60年代が終わるまで彼らは、黄金のデュオとして名作を次々と発表していきます。しかし、70年代の幕開けと共に発表した最高傑作「明日に架ける橋」を発表後、全米No.1を獲得しながらも、彼らは解散。
ソロとなった彼は、いち早くワールドミュージックとの融合を果たし、音楽シーンを先遣していきます。サイモン&ガーファンクル時代から数える事13個。史上最多のグラミー賞を受賞し、90年にはサイモン&ガーファンクルとして、2001年には、ソロとして、ロックの殿堂入りを果たしています。さらに、2006年には、アメリカのニュース雑誌タイムで「世界で最も影響力のある100人」に、唯一のミュージシャンとして選ばれ、翌年には、アメリカ議会図書館による「ガーシュイン・アワード」の第一回受賞者となっています。その行動力、歌に込めた思いから、社会性の高いミュージシャンとして、多くの人々から支持されるポール・サイモン。社会奉仕活動にも熱心で様々なチャリティ―ライブでの名演奏は、多くのリスナーの心を熱くさせてきました。
「Father & Daughter」
Paul Simon
この「ファーザー・アンド・ドーター」の中で聞こえてくる子どもの声。これはポールの息子エイドリアン。彼はこの歌でアカデミー賞にノミネートされました。映画の主題歌ではありましたが、素直な父親の愛が歌われています。「お前の輝く姿を見守っていこう。成長する姿を見守っていこう。私ほど君を愛している父親は どこにもいない」そんな彼の音楽を支えているのは、かけがえのない家族からの愛情。2001年、ソロとしてロックの殿堂に入った際、彼はこう、スピーチしています。「父は恩師でした。ミュージシャンを愛し、尊敬することを教えてくれたのは父です。僕をバンドリーダーにしたのも父です。」彼は神に感謝をささげる前に、音楽と音楽を造る人々に惜しみない愛を与えた父、ルイス・サイモンに感謝を述べました。
現在、妻エディと3人の子どもと共に、平穏なマイホームパパとなっているポールですが、彼は昔から、そんな平凡な日常の中から言葉を紡いできました。
最初の妻、ペギーとの別れた直後にできたヒット曲「恋人と別れる50の方法」は、幼い息子ハーパーに韻の踏み方を教えようとして、当時やっていた言葉遊びから出来上がった曲。また1980年にリリースされたアルバム「時の流れに」は、幼い頃の母親の笑い声と共に、家にあふれていたポピュラー音楽への愛が描かれています。
「Bridge Over Troubled Water 」
Paul Simon
社会的な事件、自分が生きてきた時代を作る背景に想いを馳せ、自らの経験を歌につづってきたポール・サイモン。夢と希望に輝いていたアメリカン・スピリットが、いつしかベトナム戦争へ。そのさなかで戦う息子を想う母の気持ちを歌い、9.11後の混沌とした世界を静かに見守る彼が、常に願う事。それは、家族愛に満ちた平穏な世界であり、倒れた隣人にやさしく手を差し伸べる、そんな慈悲に満ちた世界なのです。
静かに歌いだす「明日に架ける橋」。発売当時は、ベトナム戦争が激しさを増し、社会不安が高まっていました。やりきれない現実、人々が未来を描くことに苦しんでいたそんな時代に、あなたの希望に満ちた輝く明日を信じて、踏み出すその一歩のために、身を投げ出そうと、歌っています。あれから40年がたった今もなお、私たちの心の中に響くこの歌。明日への希望を失いかけた多くの人々に、そっと手を差し伸べる彼の大きな愛。名曲の持つ、時代を超えた輝きに勇気をもらい、今を生きる私たちも、新たな一歩を踏み出す力を得ることができるのではないでしょうか。
今夜は、ポール・サイモンをピックアップしました。
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