DUNLOP presents LOVE UNITED

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THE ONE 音楽界の偉人を毎週1人ピックアップ。アーティストの持つ世界をみつめます

2011年8月7日(日)
Steve Winwood
「Gimme Some Lovin'」
The Spencer Davis Group
Gimme Some Lovin' / The Spencer Davis Group
今年で63歳を迎えたスティーヴ・ウィンウッド。ボーカリスト、オルガンプレーヤー、そしてギタリスト、様々な顔をもったアーティストですが、彼の音楽歴はとても長く、10代初めには既に、父のジャズバンドの一員としてステージに立っていました。13歳で兄のバンドでリード・シンガーとなり、B.B.キングやチャック・ベリー、ボ・ディドリーなど、大御所のバックで、ハモンドオルガンやギターを演奏するほどの腕前を披露。そして、15歳という若さで、スペンサー・デイヴィス・グループに参加し、ソウルフルなルガンの演奏、そして彼の歌声は人々の心をつかみブリティッシュ・ロックの黄金期ともいわれる時代を築いてきます。
スペンサー・デイヴィス・グループの「KEEP ON RUNNING」。この曲がイギリスでNO.1を獲得すると、世界中から、極上のリズム&ブルースがイギリスから誕生したと注目されます。イギリスでは、出す曲出す曲がヒットチャートに上がり多くのコピーバンドが生まれたほどでした。そしてスティーヴ・ウィンウッドの歌声が、世界中のラジオから流れたのが、「GIMME SOME LOVIN’」だったのです。しかし、レコード会社とのがんじがらめのレコーディングにツアー、キャンペーンと厳しいスケジュールを過ごすうち、自分はもっと大きな舞台を目指そうと19歳でザ・スペンサー・デイヴィス・グループを脱退。そして、1967年、同じような志を持つメンバーと共に、トラフィックを結成します。彼らは田舎にこもって共同生活をしながら曲作りに励みました。シタールやハープコードを使ったサイケデリックな要素も加わり、意欲的な音楽制作を続けて行きます。中でも、彼の代表曲とも言われる「DEAR MR.FANTASY」は歴史的な代表作として、彼の代名詞ともいえる曲となっていきます。
「While You See a Chance」
Steve Winwood
While You See a Chance / Steve Winwood
トラフィックを解散後、続いて彼が向かった先、それはソウルの可能性を追求するべくエリック・クラプトンら結成した「ブラインド・フェイス」でした。ヤードバーズ、クリーム、人気グループを築いてきたクラプトンが参加するとあって、結成当初から「ロック界最初のスーパーグループ」と言う異名がつくほど注目を浴びます。しかし、そのスーパーグループも、アルバム「スーパー・ソロジャイアンツ」をリリースし、アメリカツアーを行った後、あっさりと解散。時代の流れの中で、常に新しいこと、常に挑戦的なことにトライしてきた彼は自分のクリエイティブは自分でコントロールしたい、そういう思いから
その後、自宅にレコーディングスタジオを作り、一人で制作を始めるのでした。1980年にソロアルバムをリリースして以降、スティーヴは、カントリーの聖地とも言われるアメリカ・ナッシュビルに活動拠点を移します。そして1986年には、名盤と言われるアルバム「バック・イン・ザ・ハイ・ライフ」が完成。この中に収められたチャカ・カーンをフィーチャーした「ハイヤー・ラヴ」は全米チャートで1位に輝き、翌年のグラミー賞で最優秀レコードを獲得。彼自身も、最優秀男性ポップ・ヴォーカル・パフォーマンスに輝いています。1990年以降、彼はコンスタントに作品を発表。2004年には、1960年代のトラフィックの功績が認められ、トラフィックのメンバーとしてロックの殿堂入りを果たしています。また、エリック・クラブトンとは、2007年のロックフェスティバルで共演し、翌年リリースされたアルバム「ナイン・ライズ」にクラプトンが参加。そして、マディソン・スクエア・ガーデンでの3日間のコンサートを実現、2009年からは、アメリカツアーにも出るなど、この数年で、かつての朋友との活動を活発に行っています。
「Roll with It」
Steve Winwood
Roll with It / Steve Winwood
そして、そんな彼らが今年、満を持して日本にやってきます。今なお、音楽に夢中という2人から、心から楽しんでいるサウンドを生で体感できるチャンスが日本に訪れるとは。幅広い世代にぜひ、見てほしい公演です。2人揃っての来日は初めてという事で、先に行われたインタビューでスティーヴはこう答えています。「私は数回しか日本を訪れてないないが、とても深い文化がある事を知る事ができた。今回の地震や津波の被害はとてつもなく大きいものだと思う。でも、何とか立ち直る心から望み、祈っています」。
ひどい毎日でも 乗り切るんだ。立ち止まってはだめさ。君らしくやればいい。元気を出して。乗り切るんだ。君と僕、楽しもう、あきらめないで。乗り切るんだ。
軽快なサウンドで私たちを励ましてくれるスティーヴ・ウィンウッドの音楽。彼は今年、著名なイギリスの音楽賞であるアイヴァー・ノヴェロ賞を受賞しました。その会見の席でこう語っています。「音楽が、長年にわたって人々を結びつけるものであることを実感するようになった。そして自分がその一部であることを幸運に思う」。その言葉の通り、今回のクラプトンとの来日で、世代を超えた音楽ファンが繋がるのは、間違いないのではないでしょうか?60年代から大きな影響を与えてきたスティーヴ・ウィンウッド。孤高のブルースシンガーが秘める熱いスピリットに、これからも注目したいですね。今夜は、スティーヴ・ウィンウッドをピックアップしました。

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