「Saving All My Love for You」

Whitney Houston

1963年8月。アメリカ・ニュージャージー州で生まれたホイットニー・ヒューストン。ギネスブックにも認定されているとおり、通算411回、最もアワード受賞回数の多い女性アーティストであり、アルバム・シングル・ビデオの総売り上げ枚数が1億7千万枚という世界を代表するアーティストです。
母親に、ゴスペル・シンガーのシシー・ヒューストンを持ち、幼いころから母親が通うレコーディング・スタジオやステージが遊び場でした。時には、アレサ・フランクリンや、いとこディオンヌ・ワーウィックとのセッション、そして、母親が監督を務める教会でのゴスペルに触れるうちに、その確かな耳と歌唱力を身に着けていきます。
そんなホイットニーが7歳の時。ある事件が起きます。
ふざけてハンガーを口にくわえて遊んでいたホイットニー。ひょんな事から、そのハンガーがのどのに突き刺さってしまったのです。医師からは、二度としゃべれなくなる可能性もあると告げられるも、奇跡的に声は回復。その神に約束された才能を実感し、シンガーを目指すことを心に誓います。

「I Will Always Love You」

Whitney Houston

アメリカ音楽史上最高のシングル売り上げ枚数を誇る曲、「オールウェイズ・ラヴ・ユー」。
1992年11月。映画「ボディーガード」は世界中で次々と封を切り、アメリカだけでも興行収入4億ドルを突破。サウンドトラックとしても、それまで君臨し続けたビージーズの「サタデーナイト・フィーバー」を抜き、歴代トップへと躍りでました。
そんな映画「ボディーガード」撮影中、彼女は、もうひとつ運命の出会いをしています。当時アメリカのB-BOYと謳われていたボビー・ブラウンとの出会い。
1989年、「ソウル・トレイン・ミュージック・アワード」の会場でボビー・ブラウンのパフォーマンスを見た時から、ホイットニーは彼に恋し、映画「ボディーガード」撮影中には、彼の子を妊娠。周囲の反対を押し切って、1992年6月に結婚。そして無事女の子を出産。お互いをよき伴侶として、ともに歩み始めたはず・・・でしたが次第に冷めていく気持ちとともに、彼からの暴力、そして薬物による中毒などを経験。
2002年以降、彼女は音楽活動を休止し、そして、2006年、ついにボビー・ブラウンとの離婚が発表されました。

「I Didn't Know My Own Strength」

Whitney Houston

再起をかけて、2004年から、リハビリ生活を送る彼女を陰で支えてきたのは、彼女の才能を信じ、惜しみなく彼女へ協力してきた、クライヴ・デイヴィスでした。
彼は、完全復活しようとする彼女を励まし、世代を超えた一流制作陣を終結させ、そして去年、自らが主宰する豪華なパーティーに、かつての美しさを取り戻したホイットニーをクライヴ自らエスコート。そして、今年の2月。クライブ主催のパーティーでは、これまでのヒット曲をホイットニーは力強く歌い、会場を興奮の渦に巻き込んだのでした。
完全復活。この言葉がささやかれる中、遂に先週、7年ぶりとなるNEW ALBUM「I LOOK TO YOU」をリリース。
ホイットニー不在の間、アメリカでは、オーディション番組からの多くの新人アーティストが誕生しました。そんなオーディションでよく歌われていた曲は、ホイットニーのものばかり。それだけ多くの若者に、影響を与えたということでしょう。ゴスペルで鍛え上げられた歌唱力と、歌うことで起こる奇跡を体験してきた彼女だからこそ、世界を超えて愛される名曲を、聞く人の心に届けることができるのです。
今夜は、ホイットニー・ヒューストンをピックアップしました。