様々な物議をかもしながらも、世界に向けて「ラブ・アンド・ピース」のメッセージを送り続けるジョン・レノン。もちろん、ライブ活動でも平和のために歌い続けていきました。1969年9月。トロントで行われたショーに出演。「Give Peace a Chance」を歌い、会場が大合唱で包まれます。そして、その年の12月。ユニセフのチャリティ・ショー「ピース・フォー・クリスマス」ではジョージ・ハリスン、エリック・クラブトンなどに参加を呼び掛け、「WAR IS OVER」を歌います。そして、1969年12月には、世界の11都市で、「WAR IS OVER IF YOU WANT IT = 戦争は終わる、あなたが望めば」と書かれた広告を一斉にかかげ、世界中で平和を訴えます。その後、カナダの首相と会見した際、「私もできることすべてをやっていこうと思っています」と首相が語るほど、彼らの熱意が一国の首相の心を動かすという成果を上げました。
しかしここから、しばらくジョンとヨーコの二人の活動は休止されます。そこには、こんな思いがありました。
「自分の人生に対する姿勢が、ほかのみんなにも影響を与えるんだ。ぼくらは影響を与えたと同時に、みんなから影響を受けているんだ。ジョンとヨーコは若者の平和運動のリーダーになる気はないよ」平和を願うリーダーではなく、一人ひとりの生き方こそが世界を動かしていく。ひとりの小さな行動が、やがて大きなうねりとなっていくことジョンは望んでいたのです。
ジョン・レノンが残した愛あふれる名曲の数々。そして、ヨーコと共に「ラブ・アンド・ピース」を訴え続けたその姿勢は、世代を超えて今なお、多くの人の心の中に生き続けています。
オノ・ヨーコさんは、ニューヨークのテロの時にも、1969年のキャンペーンと同じく、「イマジン」の歌詞を全面広告にして、「ラブ・アンド・ピース」のメッセージを世界中に発信されていました。
世界中に「愛と平和」のメッセージを送り続けたジョン・レノン。しかし、世界は未だ愛と平和に満ちあふれた世界だとは言えません。我々が立ち止まってしまったとき、愛と平和という言葉を見失ってしまったとき、ふと見つめる場所、原点に戻る場所、それがジョン・レノンという存在なのではないでしょうか?
今夜は、ジョン・レノンをピックアップしました。