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2010年2月21日(日)
槇原敬之
「NG」
槇原敬之
去年、デビュー20周年を迎えた槇原さん。
これまで数々のヒットを放ち、2004年には、デビューから13年余りでアルバムの総売り上げが1000万枚を突破。男性ソロシンガーとして3人目、史上最速の記録を成し遂げています。
しかし、必ずしも楽とは言えなかった、これまでの20年。大学浪人2年目にして、「受験料をなんとか手に入れたい」そんな思いから応募したオーディション。いま聞いていただいた「NG」を吹き込んだテープを、オーディションに送ります。それまでの人生で、1番など無縁だったという槇原さんは、「最終選考まで残っています」・・・と電話が来た時、ブルブルと震えが来たそうです。
そして、手にしたのは「グランプリ」と「一万人審査員賞」。これによって、デビューへのきっかけをつかみ、1990年に念願のデビュー。翌年にリリースした「どんなときも」が大ヒットとなり、彼の名前は、全国に知れ渡ります。しかし、最初のヒット曲が売れた時は、まだ先が見えず、音楽を長く続けられるとは思っていなかったそうです。しかも、デビューから10年目、人気絶頂の1999年、自らの覚せい剤所持で逮捕。常にヒット曲を作ろうとするプレッシャーに負けたと、後日ラジオで語っています。
輝かしい栄光と挫折。
「自分が音楽を作る価値はあるのだろうか?」と考えたこともあったそうです。しかし、価値とは人がつけるもので、自分でつけるものではない。そう考えられるようになってから、自然に取り組めるようになったそうです。そして今なお、こうして曲を作りリリースできるということに対し、周囲の人々への感謝の気持ちを常に持ち続けています。
「世界に一つだけの花 Renewed」
槇原敬之
デビューから20年。多くのヒットを放ちながらも、浮き沈みを経験したからこそ作れる、槇原流の音楽。今、彼が目指す音楽とは、一体どんな音楽なのでしょうか?そのヒントは、今年の元旦にリリースされた2枚のベストアルバムに隠れています。
どの曲も、槇原さんならではのメロディーと歌詞で綴られています。ベストアルバム、一枚目は、ラブソングを集めたという「Best LOVE」。そしてもう一枚は・・・「ライフソング」を集めたという「Best LIFE」。槇原さんにとって、ライフソングとは、一体どんな曲なのでしょうか?
「Best LIFE」の1曲目を飾っているのは「世界に一つだけの花」。こんな時代だからこそ、誰もが持つ不安を応援していきたい。人生の中の不安を、自分をスキルアップさせるためのお題と捉え、不安を打ち消すマーチを作って、聞く人たちを未来に送り出していきたい。また、子どもが聞いても大人が聞いても同じ意味に聞こえ、なおかつ聞いた時間が少しでもよい時間になるもの。これを聞いたおかげで元気になったとか、聞いてくれた人にとって無駄にせさない曲。それが、彼、槇原さんの決めたライフソングの定義なんだそうです。しかし、ここにたどり着くまでは長い道のりでした。
「太陽」
槇原敬之
ずっとこのままラブソングだけを書き続けるのかと途方に暮れていた30歳の頃。悶々とした彼の背中を押したのは、ある人からのこんな言葉でした。
「何か新しい事をやらなきゃだめだよ。パイオニアになるような気持ちで。」
そんなきっかけから生まれたのが「Best LIFE」におさめられている「太陽」でした。誰かの幸せを『当たり前』のように祈る存在・・・それは「太陽」のようなものなのだ。それを気づけた喜びを忘れないように・・・と作った曲だそうです。この曲からスタートしたライフソング作り。2003年には「世界に一つだけの花」が誕生し、槇原さんが思い描いていた「ラブソングでないのに多くの人々に愛される曲」というスタイルが確立されていきます。常に新しいものを取り入れ、世界中からも一目置かれる「Jポップ」を作りたいとおっしゃる槇原さん。「ライフソング」の中には愛があり、「ラブソング」の中からライフが見えてくる。
デビュー20周年、円熟してきた槇原さんに、これからも期待しましょう。
今夜は、槇原敬之さんをピックアップしました。
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