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THE ONE 音楽界の偉人を毎週1人ピックアップ。アーティストの持つ世界をみつめます

2010年7月25日(日)
Jamiroquai
「Too Young To Die」
Jamiroquai
Too Young To Die / Jamiroquai
1993年。当時巻き起こっていた、クラブジャズ、アシッドジャズのムーブメントに乗ってイギリスから「ジャミロクワイ」と名乗るバンドがデビュー。レコード会社との間に、いきなりアルバム8枚にも渡る巨大契約を交わし世間をあっと驚かせました。
あれから17年。世界で3000万枚を超えるレコードを売り上げ、そのサウンド、メッセージは、多くの人々の心をつかみ、世界中の人々を虜にした「ジャミロクワイ」。インタビュー嫌いな中心人物、ボーカル、ジェイ・ケイが18歳で描いた世界は、彼の予想通り、世界を呑みこんでいったのでした。
西ロンドンのイーリング。ここで大きな帽子をかぶり、派手なコートを着て、スケートボードを片手に駆け回っていた青年、それがジェイ・ケイでした。スタイルカウンシルを代表とするアシッドジャズが息を始めたその頃、その中心であったレーベルと異例の契約を結んだジャミロクワイは、素性も謎のまま、伝説のデビューアルバム「エマージェンシー・オン・プラネット・アース」をリリース。そこには、今では誰もが知る事となった地球温暖化や発展途上国の貧困問題など、熱いメッセージが私たちの想像を超えたサウンドでつづられ、録音されていました。どこか懐かしいソウルフルなサウンドに、レアなグルーブ感。さらには、弦楽四重奏に、オーストラリアの先住民、アボリジニの楽器、ディジリドゥなど、私たちを不思議な世界へといざなって行くのでした。
「Stillness in time」
Jamiroquai
Stillness in time / Jamiroquai
中心人物、ジェイ・ケイのインタビュー嫌いに、世界が求めるポップスターとしての振る舞いとは逆行する派手な行動、そして、数少ない発言から読み取られる人物像は、マスコミの格好のネタとなり、「気取り屋」「傲慢」「気難しい」と様々なレッテルを貼られますが彼の信念は全て、彼の作る音楽の中に、表現されていました。完璧を求める探究心、魂からわきあがる信念、今という時間を楽しもうとする生命の輝き、そして彼らの口から生まれる甘いメロディーは、私たちを虜にし、ライブでは、壮観で感動的なステージ見せつけ、オーディエンスを宇宙空間へと連れ出してくれるのでした。
今から、17年前。日本がバブル崩壊からまだ立ち直れると思っていた、そんな時代。
彼らがデビュー曲、「WHEN YOU GONNA LEAN」で謳った事。それは、地球の崩壊でした。
「今日のニュースを聞いたかいそこにあった生き物をみんな 欲張りな連中が殺してしまったんだ。自然の法則にしたがった方がいい。でなきゃ 自然は壊滅してしまう。自然より人間の方が何もかも知っているなんて、思いあがっちゃいけないよ。君らにできることといったら 自然のバランスを壊すことぐらいじゃないか。今や、僕の命までもが君ら次第さ。とても大変なことだけど、そんなことはやめさせなきゃいけないんだ みんなの目を覚まさせないといけない」
「Virtual Insanity」
Jamiroquai
Virtual Insanity / Jamiroquai
彼らの音楽を聞く人たちに、今の地球の現状を訴え、さらにセカンドシングル「TOO YOUNG TO DIE」では、誰も戦争なんて望んではいないと反戦を謳い、デビューアルバムのタイトルトラック「エマージェンシー・オン・プラネット・アース」では、地球は今、非常事態なんだと訴えかけてきました。
さらに、今ではその危険性も口にされなくなった遺伝子工学への警告を「ヴァーチャル・インサニティ」で歌い、常に私たちの一歩先を走り、私たちの生活に潜む危機を歌に託し、多くの人々に訴えかけてきたのです。
当時、自然破壊などをテーマに唄えば、失笑されてしまう時代。ゆるぎない信念を持ちながら、彼はいち早く私たちに現実を知らせようとし、未来に対して警鐘を鳴らしていたのです。そんな彼らが見た2010年の今は、どんな風に見えているのでしょうか?
日本では最近、それほど彼らの活動が報道されることはありませんでしたが、イギリスでは、着実に次の時代へ向けて動き初めています。ヨーロッパのミュージックフェスティバルに参加し、先日は、フランスでライブを行っておりました。全ては歌に中に。タイムレスな感覚の持ち主、ジャミロクワイが見せる次なる世界はどんな未来を描くのでしょうか?
今夜は、ジャミロクワイをピックアップしました。

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