DUNLOP presents LOVE UNITED

Every Sunday 12:30-12:55 JFN 38stations

THE ONE 音楽界の偉人を毎週1人ピックアップ。アーティストの持つ世界をみつめます

2010年8月1日(日)
John Fogerty
「Have You Ever Seen The Rain?」
Creedence Clearwater Revival
Have You Ever Seen The Rain? / Creedence Clearwater Revival
みなさんは、ジョン・フォガティ、ご存知でしょうか?
彼は、名曲「雨を見たかい」で有名なバンド、クリーデンス・クリアウォーター・リヴァイバルのボーカリスト。彼は昨日、38年ぶりの来日ステージをフジロックで見せてくれました。
彼は、クリーデンス・クリアウォーター・リヴァイバルのボーカルとしてアメリカ南部のブルースやカントリーをベースとしながら、シンプルなロックン・ロールを作りあげ、60年代後半から70年代初頭にかけて、ヒット曲を次々に発表していきます。「スージーQ」「プラウド・メアリー」「バッド・ムーン・ライジング」「トラヴェリン・バンド」、そして「雨を見たかい」・・・。どの曲も、今なお、多くのアーティストに愛されている名曲ばかりです。
ジョン・フォガティは、1945年 アメリカ・カリフォルニア生まれ。14歳で兄のトムと結成したバンドから、その音楽活動はスタートします。そして1967年、CCRことクリーデンス・クリアウォーター・リヴァイバルとなってから、そのサウンド、そして彼のシャウトする歌声は、アメリカを代表する声となり、世界中で愛されることになります。しかし、CCRとなって、たった6年。1972年に発表したアルバムを最後に解散。その後は、全ての楽器を一人で演奏した多重録音による架空のバンド「ブルー・ライド・レンジャーズ」としてアルバムを発表したり、ソロとして活動していきます。
「The Old Man Down The Road」
John Fogerty
The Old Man Down The Road / John Fogerty
彼の歌を楽しみにしているファンは多く、ライブ活動やチャリティーにも積極的に参加していましたが、しかしそんなライブで彼は、自分の歴史を作ったともいえるCCR時代の楽曲を歌う事はありませんでした。それは、CCRが在籍していたレコード会社との著作権問題。訴訟が解決するまで、何と25年もの間、彼は、自分で作ったCCR時代の名曲を歌えないという悲劇に見舞われます。
そのため、一時期は音楽業界から遠のいていた彼ですが、1984年にリリースしたアルバム「センターフィールド」で見事全米アルバムチャート、No.1を獲得。劇的なカムバックを果たします。
また、97年に発表した「ブルー・ムーン・スワンプ」は、その年のグラミー賞で「最優秀ロック・アルバム」を受賞。内容の濃い優れたアルバムを次々と発表し、2007年には25年にも及ぶ訴訟問題も無事に解決。架空のバンド「ブルー・ライド・レインジャーズ」のアルバムを36年ぶりにリリースするなど、大きく話題となりました。
その勢いは、全米ツアーを皮切りにヨーロッパツアーへと続き、ここ数年、アメリカ・ヨーロッパでは、彼の人気が再び高まっています。
「Centerfield」
John Fogerty
Centerfield / John Fogerty
彼の歌声に魅了されるファンの多いジョン・フォガティ。しかし、彼の才能は、その曲作りにも発揮されています。CCR時代には、リード・ギター、リード・ヴォーカル、コンポーザーに、バンド・リーダーとそのサウンド面、そしてそのイメージまでも、彼が作り上げていました。彼らの曲の中でも、最後の名曲として語り継がれている「雨をみたかい」。軽快なサウンドの裏側に、時代を映しこむ繊細な風景を織り交ぜています。
「ずっと昔、嵐の前には静けさがあるって、誰かに聞いたことがある。
 俺は、そいつがいつ来るのか、知っていた。
 雨の上がった時、その雨は、晴れた日に降るのさ。
 俺は知っている。雨のように降りそそぐ、その光を・・・」
この曲のサビの前は、このような歌詞になっています。
雨が上がった時に降る雨。
この歌が書かれたのは1971年。アメリカはベトナム戦争のさなかでした。そんな中、彼が歌う、晴れた日に降る雨とは、アメリカ軍がベトナムに降らせていた、爆弾の雨だったのです。当時、この歌は、全米シングルチャートの2位を記録し、大ヒットしたものの、反戦歌としてラジオなどでは放送禁止となる所もあるなど、物議をかもしたのでした。
しかし、時代は過ぎ、この曲の持つ軽快なサウンドとジョン・フォガティの渋い歌声は今なお愛され、歌い継がれています。彼がこの曲に託した想いは、時代を超え、世界の人々がこの歌で繋がり、青空を見上げる、そんな平和な風景を紡いでいく事だったのかもしれません。
昨日、7月31日、ジョン・フォガティは38年ぶりに日本のステージに現れました。彼は、日本の青空を見て、どんな想いを歌に託していったのでしょうか?そして、会場にいた若い人たちは、彼の声から何を連想し、どんな気持ちを受け取ったのでしょうか?今年で65歳になったジョン・フォガティ。これからもマルチプレイヤーとして、そしてメッセンジャーとしてたくさんのメッセージを、私たちに伝えてくれることでしょう。
今夜は、ジョン・フォガティをピックアップしました。

RECENT ENTRIES

RECOMMENDED ITEM DUNLOPのおススメ情報をお届け

詳しくはこちら

THE ONE(2009.04-2011.09)