みらい図鑑

VOL.171「天然杉100%のお線香」

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百年前と同じ作り方で、「線香」を作っている職人が茨城県にいます。
材料は、杉の木の葉っぱだけ。

葉っぱを粉にするために使う道具は、なんと、水車です。
原料、設備、動力、、、すべて自然の恵みに頼って作る、杉100%の線香です。

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使うのは、秋・冬・春にかけて、山から採ってきた杉の木の葉。
樹齢の浅い木だと粘りが足りないので、樹齢50年以上のものだけを選抜して使います。

まず、採ってきた杉の葉を束にしてゆっくり乾かします。
次に、水車の力を利用して細かく砕いていくのですが、この作業も実にゆっくり。
杉の葉の香りが飛ばないように、
1日半から2日かけて、じっくりと粉状に仕上げていくのです。

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江戸から明治にかけておこなっていた、昔ながらのこの方法で線香を作っているのは、
「駒村清明堂(こまむらせいめいどう)」。

五代目当主の駒村道廣(こまむら・みちひろ)さんに伺いました。

「うちの場合は、変わらず、水車の力を利用して粉を作っています。
ゆっくり作るところがポイントで、良い香りが残るのがいちばんの特徴です。
自然の中、緑あふれる中にいるような感覚を味わってもらえればいいなと思いますし、
ものすごいスピードの時代のなか、
ゆっくりとした時間を作る、ひとつのものとして使ってもらいたいと考えています。」

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山に入って葉を採るのも、
粉まみれになり、時間をかけて葉を粉砕するのも重労働。
まわりの人からは大変だと思われるような仕事ですが、
駒村さん自身は大変だとは思っていないといいます。

「これまでの100年と、これからの100年を考えると、
これをいつまで続けられるかどうか、それは自分だけの問題ではありませんよね。
その時代、その時代の人が、いいものだと思ってくれるもの。
そういうものを作っていけたらと思います。」

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天然杉100%のお線香。
水車を回しながら、ゆっくりとゆっくりと杉の葉を粉にして作られていくその香りは、森、そのもの。
慌ただしい日々の中、
大自然に身をゆだねるような、“香”の時間を作ってみるのはいかがでしょうか。

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VOL.170「原宿でミツバチを育てる理由」

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東京・原宿。
この街が発信するのはファッションだけではありません。

原宿に本店を構える洋菓子ブランド、「コロンバン」が発信しているのは「養蜂」。
表参道のど真ん中でミツバチを育て、
“MADE IN TOKYO”の蜂蜜で、お菓子を作っています。

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会社の経営理念に「社会貢献」を掲げる「コロンバン」。
洋菓子店では蜂蜜をたくさん使いますが、
近年、ミツバチが危機的状況にあることを受けて、養蜂に着手しました。

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ひとくちに「養蜂」といってもいろいろあるそうですが、
「コロンバン」での蜂蜜の採取は7月まで。
8月以降は採らずに、越冬させることでミツバチたちの軍を強くしています。

「コロンバン」の代表、小澤俊文(おざわ・としふみ)さんに伺いました。

「ミツバチが飛ぶ距離は片道3キロまでなんですね。
明治神宮だったり、代々木公園だったり、新宿御苑だったり、
赤坂御所だったり、青山公園だったり・・・。
原宿は、都内でも有数の蜜源が密集している場所なんです。
ここまで恵まれている土地は、都内では、そうそう無いんじゃないかと言われています。」

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花粉を媒介することが仕事のミツバチは、地球上の連鎖のベースを担っています。
もし、地球上からミツバチが消えてしまったら、
人類は数年しか生きられない、と言われています。

蜂蜜の味を知ってもらうのは手段。
養蜂そのものを知ってほしい、と小澤さんは話します。

「ミツバチが地球からいなくなると、じつは、大変なことになるんだと。
ですから、食べることをきっかけにして、ミツバチ、蜂蜜に関心を持ってもらいたいんですね。
そのことによって、ミツバチたちを大事にする気持ちになってもらうことが目的なんです。」

季節によって、味も香りも違う、原宿生まれの蜂蜜。
この先もずっと、ミツバチが暮らしていける環境を守っていきたいですね。

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