みらい図鑑

Vol.43 「競技用けん玉」 山形県

radikoで再生する


今回のタカラモノは「けん玉」。
皆さんも一度は手に取って遊んだことがあるのではないでしょうか?
懐かしくもあり、また、現在、世界的にブームが広がって新しい進歩を遂げている
日本の伝統玩具です。



「けん玉のふる里」と呼ばれる山形県は、ブナの木の保有面積で日本一。
その木の美しさにほれ込んで、”これを使って、人と人をつなげるおもちゃを作りたい”
そんな想いで、けん玉を作っている工房が長井市にあります。



「山形工房」、代表の梅津雄治(うめづ・ゆうじ)さんに伺いました。

「やっぱり木材というのは鉄やプラスチックなんかと違って、
それぞれ木によって違うんですね。生きものを相手にしているんですね。
その木に合わせて、日本人の職人の目と手で、0.1ミリ単位の精度で仕上げています。」



ここで作られているのは、主に競技用のけん玉。
「競技用けん玉」とは、日本けん玉協会が認定するけん玉で、級・段位試験を受けたり、
全国各地で行われるけん玉大会に、このけん玉で参加したりすることができます。

協会の製造指定工場にも選ばれている「山形工房」のこだわりは、
日本の熟練職人の目と手で、本格派仕様のけん玉を作ること。



競技用として使われるので、多くの技ができるように、
精度と品質を追求して一つ一つ丁寧に仕上げられています。



1本1本、大きさも形も固さも異なる木を自由自在に操って、けん玉を作る職人の技。
見据えているのは、こんな未来です。

「けん玉の技は、だいたい3万種類近くあるって言われているんですね。
けん玉の響きは平和の響き。
このけん玉という日本の良き伝統文化が人と人をつないで、
世界中いたるところで、けん玉の響きを叶えたい、
そういったひとつのツールに仕上げていきたいというのが掲げているスローガンです。」

山形の自然の恵みが玩具という形になり、さらにその先にあるのは、平和の響き。
100年先も世界のいろんな場所で、けん玉の響きが聞けるといいですね。

Vol.42 「上毛かるた」 群馬県

radikoで再生する


群馬県民ならば、誰もが知っている郷土かるた。
「上毛かるた」が今回のタカラモノです。

戦後まもない時期、”食べるものも着るものも十分ではないけれど、子供たちに希望を与えたい”
そんな想いから1947年に誕生した「上毛かるた」は、
群馬県の名所旧跡、偉人が札になっている44枚のかるた。

子供たちにとっては郷土の勉強にもなり、大会もあって、群馬の小学生は強くなるために、
毎日練習に励んでいるんだそうです。

群馬県民が子どもの頃から慣れ親しんでいる「上毛かるた」。
大人になって、全国に散らばった猛者たちを集めて、真の日本一を決めよう!という大会が、
毎年2月に東京でおこなわれています。



参加者は皆、真剣勝負。
大会のために合宿をしたり、ユニフォーム揃えたり、気合を入れて勝ちに来ます。



名前は「KING OF JMK」。
実行委員会の代表・渡邉 俊さんにお話を伺いました。

「一言で言うのも難しいんですが、染み付いているかるたなんですね。
群馬県民だったら、100%みんな知っているので、
かるたを思い出すと地元を思い出します。
大人から子どもまで、もっというと、お年寄りから子どもまで繋がれるツールだと
思っています。」



日本一を決める「KING OF JMK」には、大きな夢があります。

「実は今、上毛かるたをやらない子どもたちも群馬県内で増えているんですよね。
こういったイベントがあれば、やるキッカケになるのかなと思いますので、
KING OF JMKはずっと続けて、いつか武道館で開催する!と言っているんですけど、
その夢を捨てずに頑張りたいと思います。」

かるたを手にすれば、誰もが一瞬にしてふるさとを思い出す。
そんな“遊び”が、いつまでも大切に受け継がれていきますように。

Prev [P.150/171] Next