みらい図鑑

Vol.69 「箒」 茨城県

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掃除のときに欠かせない昔ながらの道具、「箒」が今回のタカラモノです。

箒に魅せられて、「箒職人」の道を選んだ女性が茨城県のつくば市にいます。
福島 梓さん(ふくしま・あずさ)さん。
工房で、小さなほうきやコーヒーブラシ、座敷箒など、用途に合わせたさまざまな箒を
手作業でつくっています。

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「大学院1年生の時にきれいな箒を見て、
20年後に、こんなにきれいな箒がある世の中に暮らしていたいな、
という気持ちが生まれて、それで箒職人になろうと思いました。」

そんな福島さんが取り組んでいるのが、「種から始まるほうきづくり」。

福島さんは、素材である「箒草」を育てるところからものづくりを始めています。
春の種蒔きから始まり、秋の収穫、制作から販売まで、約半年かけて完成。
無農薬、有機肥料で育てた安心・安全な国産の箒には、他にはない魅力があるといいます。

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「道具っていうのは人の身体にくっつくものだと思うんですよ。
箸を持ったら、箸は手の一部になるような感覚で物を自由に掴むことができる。
箒もその人にあったカタチとか、その人の身体の一部になって自由自在に操れるような、
そういう箒を作っていきたいと思っています。」

道具は分身。箒もまた自分の一部。
ひとりひとり、使う人の暮らしに寄り添った箒を丁寧に仕上げていく福島さんの挑戦は、
これからも続きます。

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