みらい図鑑

VOL.130 「錫のタンブラー」 大阪府

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今回の話題は、「使う伝統工芸品」。
錫のタンブラーです。
錫の器にお酒を入れると、角が取れて味がまろやかになるんですよね。



そんな錫のタンブラーを、ひとつひとつ手作業で作っている会社が大阪にあります。
昭和24年に設立、錫器の製作を専業とする会社、「大阪錫器」です。

経済産業大臣指定伝統的工芸品に指定された、
「大阪浪華錫器」という300年の歴史を誇る伝統工芸品があり、
「大阪錫器」で作られる製品は、ほぼ全てがこの指定を受けています。

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現代の名工、「大阪錫器」の今井達昌(いまい・たつまさ)さんのお話です。

「私は、人が手で持って使うものは、人が手で作ればいいんじゃないか、という考えで、
ものを作っています。
機械でスイッチを入れればできるものは、
0コンマ1ミリ、変更することもできないんですよね。
けっこう、みなさん、もっと機械化されていると思って見学に来られますが、
本当に手作りですね!と言われますね。」






0コンマ1ミリにも対応できる、ものづくり。
ですが、今井さん、「伝統工芸の価値は、時代に寄り添ってこそ。」とも語ります。

「私たちが作っている品物というのは、最低、20年、30年使っていただくことを前提に
作っています。
手間がかかって高いだけのものではダメなんですね。
伝統工芸品は止まったら終わり。
今の時代に合わせた新しいものを作って、それによって使ってもらえたら、
産業としても成り立っていきますよね。
うまく循環していけばいいのかなって思っています。」




30年使えるタンブラー。
こういうものがひとつ身の回りにあると、暮らしが豊かになりそうですね。