みらい図鑑

VOL.178「万華鏡」

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今回の主人公は、「万華鏡」。

筒に開けられた小さな穴を覗き込んで、
くるくると回せば、キラキラとした世界が広がる・・・。
同じ模様は二度と見ることができない、玩具を超えたアートです。

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1816年にスコットランドの物理学者によって発明された「万華鏡」は、
ヨーロッパ、アジアを経由して、江戸時代の頃、日本に広まりました。

明治から、大正〜昭和にかけて、日本で作られたものもありましたが、
当時の素材が紙だったため、ほとんどのものが戦争中に消失。
アンティークと呼ばれる万華鏡は、残っていないのが現状です。

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東京都台東区にある万華鏡専門店、
「創心万華鏡」の豊田美百花(とよだ・みもか)さんに伺いました。

「万華鏡って、作っていても、出来上がって最後の最後に、”のぞき穴”から覗いてみるまで、
どのような映像ができるかわからないところが魅力なんです。」

ハンドメイドのオリジナル製品を目指して、万華鏡づくりをおこなっている「創心万華鏡」。
外国人客が増えていることもあり、日本の伝統工芸の素材や、メーカーとコラボした陶器や蒔絵、
漆などを使い、若手のクリエイターと組んで、様々な和テイストの作品を展開しています。

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販売だけではなく、ワークショップのニーズにも応え、
小学校で万華鏡づくりの出張指導や、老人ホームでのワークショップの実績もあるという「創心万華鏡」。
世代や年齢に沿った作りやすい内容で、多くの人に体験してもらうことで、
ローカルコミュニティーの活性化に一役買っています。

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「自分で作るものが、どんな風に出来上がるかとか。みんなで盛り上がれるっていうかね。
一緒に同じものを作ったとしても、自分が作るとこんな風になった、とか、隣同士で見せ合ったり、
コミュニケーションの輪、みたいなのが広がっていく様子がすごいなと思うし、
“気分が落ち込んでいる時の励ましになった。”という声もあって、
それは、すごく嬉しいなと思います。」

「創心万華鏡」では、この夏休みも手作りワークショップをおこなっています。

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小さな覗き穴のなかに広がる無限の世界。
一緒に作った人どうしで、コミュニケーションの輪が広がっていくのってステキですね。