VOL.230「職人技が光る、チョークボードバインダー」
板の上に仕掛けたエサに触れたネズミを、
バネの反動ではさみ込む装置、「ねずみ捕り板(ばん)」。
昔ながらの罠に使われている”強いバネ”をほとんどそのまま使って、
ある文房具が作られています。
それは、紙を挟む「バインダー」。
ボードの部分は、表も裏も、チョークで書き込めるように作られていて、
メッセージボードやお店の看板などにも活躍。
シンプルなデザインと、耐久性に優れたバネが評判を呼んでいます。
この「チョークボードバインダー」を作っているのは、
いまなお「ねずみ捕り板」を作っている職人さん。
ひとつひとつ手作業でバインダー用に改良して、クリップを取り付けています。
手掛けているのは、新潟県三条市にある生活道具のブランド、
「folk product(フォルク・プロダクト)」。
代表の鈴木日富(すずき・ひとみ)さんのお話です。
「ねずみ捕り板は、バネという原始的な機能を持ったものですが、
とても魅力的な道具なので、
バインダーのクリップという形状に変えていただいて、取り付けてもらっています。」
「ねずみ捕り板」の“技”が活かされた、チョークボードバインダー。
全国各地の職人の技を、
もっと多くの方に知ってほしい、と鈴木さんは話します。
「自分も職人だったんですが、職人って、基本的にモノを多く語らないと思うんですが、
やはり、出来たものが、往々に語っていると思うんですね。
本当に良いものは、ちゃんと、使い続けられて、
生き残って、今でも使われているものが本物だと思うんですね。」
オシャレなだけではなく、機能性も兼ね備えたチョークボードバインダー。
シンプル・イズ・ベストは、職人魂の証ですね。