みらい図鑑

VOL.333「網エコたわし」

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長崎県雲仙市で、
煮干しの原料となるカタクチイワシを獲っている漁業会社、「天洋丸」。

そんな「天洋丸」で作っているのが、漁で使った網をアップサイクルした「たわし」、
その名も、「網エコたわし」です。

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カタクチイワシの漁では、網はとても大切な道具。

穴が空いても、破れても、出漁をしない休みの間に、
漁師さん自身の手で少しずつ修理しながら、大切に使っていきます。

そして、10 年ほど経ち、いよいよ、ここまでか、という状態になってはじめて、
新しい網と交換するのです。

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そもそも、漁師さんの間では、
古くなった網の切れ端は、食器洗いなどに使うのが日常的だったといいます。

大事に使っていた網をまだまだ役に立たせたい。

そんな思いから、大きな使い古しの網を、
使いやすいサイズにカット、洗浄・殺菌して作られたプロダクトが、この「網エコたわし」。

道具を大切に使う漁師さんからの、“おすそ分け”です。

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「天洋丸」の竹下恵理(たけした・えり)さんに伺いました。

「もともと漁師さんたちは使っていたんですが、
一般的には知られていなかったんです。

実際、泡立ちがいいんですね。
しかも、乾きやすい。

そういう使い方がありますよ、っていう話をしたところ、
自分も使ってみたい、という声をいただいて、商品化したんです。
売ろうと思って作ったわけではなかったんですよね。

この網で魚を獲っていたんだな、っていうことを、
たわしを使う人に感じていただけたら嬉しいです。」

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長い間、カタクチイワシを獲ってきた網。

海での役目を終えたあとも、
漁師さんたちの知恵によって、私たちの生活にずっと寄り添い続けてくれます。