2008年5月18日
芥川龍之介 『羅生門』

「羅生門」は、大正4年、芥川龍之介が23歳の時に発表した短編小説。最初はそれほど評判になりませんでしたが、その翌年の「鼻」が夏目漱石によって高く評価され、芥川龍之介は作家としての将来に大きな希望と自信を持ちました。多くの若手作家を育てた夏目漱石。「どうぞ偉くなって下さい。しかしむやみに焦ってはいけません。」という心温かな手紙を芥川龍之介に送っていました。ところが芥川が「鼻」を発表した10ヶ月後、夏目漱石はこの世を去ってしまいます。亡くなった夏目漱石への想いを自分の作品集にこめた芥川龍之介。その本の扉にはこんな言葉が綴られていました。「夏目漱石先生の霊前に献ず」。

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