2008年6月1日
フランツ・カフカ 『変身』

カフカは、ユダヤ人として1883年チェコのプラハに生まれ、作家としては無名のまま40歳の若さで亡くなっています。では彼の死後、その作品はどうやって多くの人に読み継がれていったのでしょうか。そのことにはマックス・ブロートというカフカの親友が大きな力となりました。「自分が死んだら未発表の原稿や手紙をすべて焼き捨ててほしい」というカフカの頼みも聞かず、積極的に出版。さらにヒトラーが力を伸ばし、ナチスドイツがチェコを併合する中、彼はカフカの残したノートや原稿をトランクに詰めて亡命するのです。そしてそれは、なんとドイツ軍がプラハに進攻してくるまさに前日のことだったのです。

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