2011年05月15日
クレア・キップス
『ある小さなスズメの記録』
 (文藝春秋)
心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。

イギリスのピアニストだったクレア・キップス夫人が、第二次世界大戦中、ロンドン郊外の自宅前で生まれたばかりのスズメを見つけます。明らかに瀕死の状態だったため、温かいフランネルでつつみ、生き返らせようとミルクを一滴、小さな喉に垂らします、そこからはじまるスズメとの暮らし。キップス夫人が実際に体験した日々を綴ったのが「ある小さなスズメの記録」です。1953年に発表されてイギリスでベストセラーとなり、その後、日本でも様々な翻訳で紹介されています。昨年11月には作家・梨木香歩さんの翻訳による新刊本が登場。今、人気の本として新聞などで取り上げられ、小川洋子さんもお気に入りの1冊だそうです。

...続きを読む