2013年12月08日

山崎豊子
『花のれん』
 (新潮文庫)

心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。

今年の文学界で大きな出来事というと、9月29日に山崎豊子さんが88歳で亡くなられたことです。「白い巨塔」「華麗なる一族」「不毛地帯」など社会派の長編小説を数多く残され、累計2900万部。多くの読者を持つ国民的ベストセラー作家です。現在も週刊新潮に「約束の海」が連載されています。この小説の第一部を書き上げたあと体調を崩されたということで、最後までペンを持ち続けた山崎豊子さん。今回は、山崎さんの作家としての原点とも言える「花のれん」を取り上げました。この小説で1958年、33歳の時に直木賞受賞。これをきっかけに、それまで勤めていた新聞社を退社され、本格的に作家活動に入られています。

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