2014年01月05日
紀貫之『土佐日記』
 (角川ソフィア文庫ビギナーズ・クラシックス)

「土佐日記」は、12月21日からはじまり、新年を迎えて翌年の2月まで綴られているので、これを読むと平安時代の新年の様子も感じることができます。また当時の船旅の大変さ。天候不順でなかなか前に進まなかったり海賊にも狙われたり。主人公が無事に到着することが出来るのか。読者をハラハラドキドキさせる旅行記としても魅力的です。さらに土佐で亡くなった娘への想いなど紀貫之のプライベートな部分も綴られていて、文学としても様々な視点で楽しむことができる作品。ちなみにこのあと、「蜻蛉日記」「和泉式部日記」「紫式部日記」「更級日記」が発表されているので、日記文学のはじまりとも言えるのが「土佐日記」です。

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