2014年02月16日
宮尾登美子
『きのね』(下)
 (新潮文庫)

宮尾登美子さんは「きのね」の他にも、伝統文化や歴史の中に生きる女性を描き続けています。作者である宮尾登美子さんもまた小説のような人生。17歳で最初の結婚をされ、ご主人とともに満州に渡り終戦を迎えられています。日本に戻られた翌年、肺結核にかかり、その時、満州での体験を書き残しておきたいと思ったことが作家になるきっかけでした。その後、保育士の仕事などをされ、36歳の時に本格的に作家活動に入られて、「きのね」を書かれたのは62歳の時でした。「私の書きたいものすべては、女としての生き方に関わっている。人の人生に教えられることは多い」と書かれていますが、読者は宮尾登美子さんが描く女性の生き方を通して、様々なことを体験できるのです。

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