2017年2月5日

デュ・モーリア
『レベッカ(上)』
 (新潮文庫)

心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。

年に一度、長編小説を2週にわたって取り上げている「メロディアス・ライブラリー」。今年選んだのは、イギリスの作家ダフネ・デュ・モーリアの「レベッカ」上下2巻です。1938年に刊行され、その2年後にヒッチコック監督によって映画化。アカデミー賞の最優秀作品賞と撮影賞を受賞しています。映画は観たことがあるけれど、原作を読んだことはないという方も多いのでは。小説で味わう「レベッカ」は、映画とはまた違った面白さがあります。まず「ゆうべ、またマンダレーに行った夢を見た」という書き出しが印象的。マンダレーとはいったいどんな場所なのか?この1行で、読者は「レベッカ」の世界へと引き込まれてしまいます。

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