2018年10月28日

正宗白鳥
『リー兄さん』
(講談社文芸文庫)

心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。

岡山県を代表する作家のひとり正宗白鳥。今から139年前の明治12年、和気郡(現在の備前市)で生まれました。6男3女の長男で、弟は画家の正宗得三郎、国文学者の正宗敦夫、植物学者の正宗厳敬と様々な分野で活躍しています。正宗白鳥自身は、明治から昭和にかけて小説、戯曲、評論などを発表し、今から56年前の昭和37年10月28日、83歳で亡くなっています。今回は命日の放送。亡くなる1年前に発表した短編小説「リー兄(ああ)さん」を取り上げてみました。弟が亡くなった知らせを受けて、故郷の家に戻った主人公。その弟の愛称が「リー兄さん」。彼がどんな人生を送り、どのように亡くなったのかが綴られています。

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