2019年03月03日

ロスタン
『シラノ・ド・ベルジュラック』

(光文社古典新訳文庫)

心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。

現在、舞台やミュージカルとして世界中で親しまれている「シラノ・ド・ベルジュラック」。その原作となるのがフランスの劇作家エドモン・ロスタンが1897年に発表した戯曲です。剣の達人で文才もあり心優しい人物シラノ・ド・ベルジュラック。しかしひとつだけコンプレックスがありました。それは鼻がとても大きいこと。そのため愛するロクサーヌに自分の想いを打ち明けることは出来ず、美男子クリスチャンとロクサーヌの恋のキューピッドになるのです。クリスチャンの代わりに愛を語るバルコニーのシーンなど、有名な場面を戯曲で読むと、その魅力をあらためて感じる作品。臨場感があり、文字で読んでもそれぞれのセリフが耳に響いてくるようです。

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