2019年08月25日

藤本和子
『塩を食う女たち、
聞書・北米の黒人女性』
(岩波現代文庫)

心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。

1960年代のアメリカでは、人種差別撤廃を求める公民権運動が盛り上がり、1963年8月28日におこなわれたワシントン大行進によってそのムーブメントは最高潮に達しました。その日集まったのは20万人。キング牧師の有名な演説「I have a dream」は、この時におこなわれたものでした。それから19年たった1982年、日本ではこの本が出版されました。藤本和子さんの「塩を食う女たちー聞書・北米の黒人女性」。藤本さんが、北アメリカに暮らす黒人女性と語り合い、彼女たちがいかに過酷なアメリカ社会を生き延びてきたのかを記録した1冊。その答えとして、ある人物はこう語っています。「わたしたちには、アメリカ社会の主流的な欲求とは異なるべつの何かがあったからだと思う」。

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