2019年10月13日

今村夏子
『むらさきのスカートの女』
(朝日新聞出版社)

この小説の語り手である「わたし」は、「むらさきのスカートの女」と対比させて、自分のことを「さしずめ黄色いカーディガンの女」としています。そして「黄色いカーディガンの女」は、「むらさきのスカートの女」と友達になりたいと思い、同じ職場で働けるようにするのです。読んでいけばいくほど、実は「むらさきのスカートの女」よりも「黄色いカーディガンの女」のほうが不気味?とか、「むらさき」と「黄色」は実は同一人物?と感じる読者もいるほどです。「もし読書会をするならぴったりの楽しい一冊」と小川洋子さん。それだけ読む人によって感じ方、理解の仕方、面白いと思う部分も様々。ぜひ身近な方と「むらさきのスカートの女」で読書会、楽しんでみてください。

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