2020年01月12日

山本有三
『路傍の石』
(偕成社文庫)

心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。

大正から昭和にかけて活躍した作家、山本有三。今から46年前の昭和49年1月11日、86歳で亡くなっています。代表作は昭和12年に朝日新聞で連載がはじまった小説「路傍の石」。舞台は古いものと新しいものが混沌としていた明治時代です。主人公の少年、愛川吾一は没落した士族の家の一人息子。父親は過去の権利にこだわって裁判を続け、吾一がコツコツ貯めた貯金まで使ってしまいます。負けず嫌いで向上心もあり勉強もできる吾一。中学進学を希望していましたがその夢も叶わず、呉服屋に奉公にいくことになります。その後も次々と試練が待ち受けていますが、吾一はどうやって未来を見つけていくのでしょうか?

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