2020年05月31日

メリメ
『カルメン』
(光文社古典新訳文庫)

心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。

オペラやバレエで知られる作品「カルメン」。スペイン南部を舞台に、魔性の女カルメンと彼女に人生を狂わされた男ドン・ホセの物語です。オペラを手がけたのはフランスの作曲家ジョルジュ・ビゼー。彼は1875年6月3日に亡くなっています。命日を前にビゼーが作曲した「カルメン」の音楽とともに、その原作を味わってみました。もともとはフランスの作家プロスペール・メリメが1845年に発表した小説で、物語の語り手は考古学者。彼は調査旅行のため出かけたスペインの町コルドバでドン・ホセとカルメンに出会います。肩の上のショールと髪にさした大きな花。カルメンが登場する場面を読むと、まるでオペラの曲が聞こえてくるようです。

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