2020年06月28日

『草野心平詩集』(ハルキ文庫)

大正8年、16歳の時に地元・福島を離れ上京した草野心平。さらに翌年、中国に留学。この時、持っていったのが16歳で亡くなった兄が残した3冊のノート。そこに書かれていた詩や短歌に触発され、自分でも詩を書くようになりました。また中国に留学する前から英語や北京語を学び、語学も得意だったそうですが、それよりも草野心平が一番得意としていたのが「蛙語」でした。「ごびらっふの独白」という詩は、まさに「蛙語」でかかれたもの。その作品のあとに日本語訳も掲載されています。「どの蛙も私の擬音をああこれは自分の鳴き声を言葉にしたんだな、と思うような錯覚は持つに違いない」と草野心平自身も語っているように、まさに日本で唯一無二の「蛙の詩人」です。

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