2021年8月8日

ヘルマン・ヘッセ
『庭仕事の愉しみ』
(草思社文庫)

人生の後半、執筆以外の時間を自分の庭で過ごしたと言われるヘルマン・ヘッセ。その中で感じた想いを随筆、詩、小説、童話、そして手紙や水彩画に残しています。今回取り上げた「庭仕事の愉しみ」は、ヘッセ研究の第一人者フォルカー・ミヒェルス氏が、ヘッセの残した物の中から「庭」をテーマに編集した詩文集。どの作品にも心に残る名言が溢れています。さらに印象的なのがヘッセ自身の写真。自分が育てたヒマワリを幸せそうに眺めていたり、愛猫ティガーに向けた笑顔の眼差し。文学の中で出会ったヘッセとはまた違った一面を知ることができます。文豪に多くのことを伝える「庭」という存在。その大きさも感じる1冊でもあります。

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