2021年12月12日

向田邦子
『海苔と卵と朝めし』
(河出書房新社)

心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。

向田邦子さんが亡くなられて今年で40年。生前に発表された小説、エッセイは今も人気が高く、脚本を手がけられたドラマは、昭和の名作と呼ばれています。さらにファッションや雑貨、料理など、向田邦子さんの生活へのこだわりは、素敵に生きるお手本として、多くの人が今も尚、あこがれを持っています。今回取り上げた「海苔と卵と朝めし」は、向田邦子さんの「食」にちなんだエッセイ集。子供時代の食べ物の思い出やお気に入りの味、旅先で出会った料理などが綴られています。どの作品も映像的で、五感を刺激するものばかり。昭和を代表する脚本家ならではの、名エッセイが29編おさめられています。

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