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わずか数ページの物語の中、主人公の下人のめまぐるしく変わる心模様が描かれている作品。最初は『芥川は「正義と悪は紙一重」的なことを表現したくて、この物語を書いたのかな』との感想を持ちました。が、『「今昔物語集」という平安時代の物語をベースにしているのがこの「羅生門」。1000年前でも、人の感情や行動というのは、現代に生きる私たちとあまり変わらないんですね。昔の人もこうだったんだ、私たちもこれでいいんだ、という安心を見つけるために、人は「羅生門」を手に取るのではないでしょうか』。そんな小川さんの解説で、一気にこの作品の目指すところが見えたような気がしました。(アシスタント:藤丸由華)

2008年5月11日
藤原てい
『流れる星は生きている』


2008年5月4日
中勘助
『銀の匙』


2008年4月27日
ジャン・ジオノ
『木を植えた男』


2008年4月20日
黒柳徹子
『窓ぎわのトットちゃん』


アーカイブ

Three Ways  / The Wallflowers
この曲の歌詞は「どんな箱にも3つの出口がある、底から落ちるかてっぺんから這い出るか、でも もし君が出口をみつけられないなら燃やしてしまえばいいのさ、灰になるまで、そして姿を消すんだ、煙みたいに」というものです。盗人になるか餓死するか、最後の瞬間の下人の行動は3つ目だったのか?「羅生門」と重なる1曲です。ウォールフラワーズはボブ・ディランの息子ジェイコブ・ディランのバンドです。

ストラヴィンスキー「火の鳥」(1910年版) / ピエール・ブレーズ指揮 ニューヨークフィルハーモニック
芥川の三男で音楽家だった也寸志さんによると、芥川は膨大なSP盤コレクションをもち、特にストラヴィンスキーが多かったそうです。 1910年の作品なので、当時芥川は最先端の音楽を聴いていたのですね

今日までそして明日から / 吉田拓郎
「わたしにはわたしの生き方がある それはおそらく自分というものを知るところから始まるものでしょう、けれどそれにしたってどこでどう変わってしまうのか、わからないまま生きてゆく」 読後に聞くと本と曲の理解がふかまるような気がします。

 
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